月末の金曜日、退社時間を15時に繰り上げる「プレミアムフライデー」が始まり、3月に2回目を迎えた。政府はプレミアムフライデーを定着させることで、買い物や外食、観光などのための時間を生み出し、デフレ的傾向を変えるきっかけとなるなどの効果に期待、働き方改革などライフスタイルの変革も同時に進められることを目指している。
プレミアムフライデーに関する
様々なイベントが行われている
プレミアムフライデー推進協議会事務局によると、第1回の利用実態調査では、回答者の17%が実際に早帰りし、そのうち87.6%が「豊かな時間を過ごすことができた」と回答している。また企業は消費喚起に取り組んだ企業の27.7%は「売り上げが伸びた」という。初段としてはまずまずなのか。
1回目は様子見でパスしても「2回目は」という人が多かったかもしれない。ただ2回目は、年度末で何かと忙しかったり、期待された花見も突然の“寒の戻り”で桜の開花が遅れるなどの要因もあってか、利用者の数値は若干下がったもようだ。
次は4月28日である。前回より下がるのか、それとも上がり20%をも突破してしまうのか。まさに3度目の正直。個人的には20%を超えるのではないかと予測する。
なぜならばゴールデンウィークの入り口であるため、過去2回よりは取りやすいかもしれない。ゴールデンウィークブーストが働くからだ。だが、何せ大型連休の直前というか、すでにゴールデンウィークに片足をつっこんでいる状態(うきうき状態)ともいえる。15時退社どころか、半ドン、さらに28日そのものを休暇とする人がいても不思議ではない。つまり、ゴールデンウィークという超大型イベントに、その存在自体が飲み込まれてしまうのではないか。そうなると休みを取るのはゴールデンウィーク効果であり、それはお馴染みのゴールデンウィーク直前の光景なわけで、本来の「プレミアムフライデー」によるものではないのではと、勝手に危惧する。そうなると本当の勝負は4回目の5月26日かもしれない。今後定着するか、「サマータイム」や「ゆう活」のような憂き目にあうのか、分かれ目だ。
さて、かくゆう小生はというと、プレミアムフライデーを満喫するか、それともプレミアムフライデーで賑わう店や館を取材に行くかと逡巡しつつ、原稿と格闘していたら17時を回っていた具合だ。次回こそと思っていたら、2回目のプレミアムフライデーも何かに忙殺されていてあっさりスルーしてしまった。この調子ではプレミアムフライデーを体現できる日が来るのか危うい、といわざるを得ない。
効率的な仕事を実現できるようになり、仕事のやり残しで後ろ髪を引かれるように職場を後にすることがなく、「豊かな時間を過ごすことができました」と胸を張ってアンケートに回答できるようにするとともに、ようやくと思っていたら制度そのものがなくなっていないように願いたい。