商業施設新聞
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No.578

韓国に超デカ複合モール誕生


嚴 在漢

2016/10/18

9月にオープンしたスターフィールド河南の外観
9月にオープンしたスターフィールド河南の外観
 「とにかく超デカイ!!」。ソウル郊外で、去る9月にオープンした韓国国内最大級の超大型複合ショッピングモール「スターフィールド河南」(京畿道河南市)の話だ。韓国流通大手の新世界グループは、9月5日にオープンした同店を筆頭に、京畿道一帯の高陽、安城、富川、仁川、大田などを2021年まで毎年1店舗ずつ、合計6つのスターフィールドをオープンしていく計画だ。

スターフィールド河南の内部
スターフィールド河南の内部
 「楽しみながらショッピングする」というショッピングテーマパークを標榜する新世界のスターフィールドは、百貨店やショッピングモールだけでなく、野球場、遊園地などを売り物にしている。消費者に様々な遊び場を提供し、さらなる消費を誘導する商法である。このような超大型ショッピングモール建設の機運は、既存流通企業との競争次元を越えて、流通業と他の産業が本格的に競争する「新しい流通商戦」の幕開けともいわれている。

 新世界が1兆ウォン(約952億円)を投じたスターフィールド河南は、延べ46万m²でサッカー競技場70個分に相当する大きさであり、ショッピングと観光、レジャーを1カ所で解決できる複合文化空間を目指している。ただ、同店が位置する河南にはまだ地下鉄はなく、市道を利用することから、交通渋滞が深刻だという。また、売り場があまりにも広すぎるため、的を絞って買い物ができない不便さもあるそうだ。

 新世界は、スターフィールド河南の年間売り上げ目標を8200億ウォン(約781億円)と想定している。開店から1カ月が経った10月5日時点の累計来場客は300万人を突破し、順調なスタートを切った。今後、3~4年内に累計売上高5兆ウォン(約4762億円)達成を目指して、果敢な投資と新規売り場を拡大し、独自的な市場競争力を確保する狙いだ。

 韓国流通業界におけるトップの座をめぐって新世界としのぎを削っているロッテグループは、17年初頭、ソウル蚕室にロッテワールドタワーを完成し、熾烈な複合ショッピングモール競争に参入する。また、17年下半期には首都圏最大級のアウトレットとショッピングモールを合わせた複合ショッピングタウンを龍仁(京畿道)に建設する。

 新世界のスターフィールド河南は、郊外型複合ショッピングモールのプラットフォームと、イーマート流通のノウハウをマッチした事業の成長の可能性を確認する機会だとしており、新世界グループの力量を総動員し、様々な顧客の要求に応じていきたいと意気込んでいる。しかし、ここ数年間、2%台という低成長に苦しむ韓国経済であるだけに、果たして超大型ショッピングモールが繁盛するような消費余力はあるのか、新世界の挑戦が問われている。
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