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熊本赤十字病院 第一救急科部長 奥本克己氏


救命Cの夜間専用病床活用や災害対応を紹介
熊本地震で震源に最も近い災害拠点病院として多数の傷病者に対応

2016/9/13

講演する奥本克己氏と会場風景
講演する奥本克己氏と会場風景
 増築を行った北館と南館が8月1日に供用開始した、地方独立行政法人 神戸市民病院機構「神戸市立医療センター中央市民病院」(神戸市中央区港島南町2-1-1)は、供用開始前の7月31日に北館・南館の完成記念会を開催した(前々号参照)。記念会のセミナーでは、前号の宮川真一氏に続き、セミナー第2部で、熊本赤十字病院第一救急科部長の奥本克己氏が「救命救急センター新築4年目の熊本地震対応」をテーマに講演した。

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◆救命救急センターにオーバーナイトベッド設置
 熊本市内の救命救急センターは、熊本市の人口約74万人に対し、3カ所が運営されており、熊本赤十字病院(熊本市東区、490床)の救命救急センターはこのうちの1つである。年間の救急患者数は約6万5000人。このうち救急車によるものは約8000人、ウォークインは約5万7000人となっており、多くの患者を受け入れている。
 熊本赤十字病院では、2012年5月に安全性・機動性・緩衝性をテーマに急性期病棟を再編、救命救急センターを新設した。これまでは、救命救急病棟が26床もあり、結果として「よろず病棟」のような運用の仕方になってしまっていた。これを、明確な運用を行うためにスリム化し、オーバーナイトベッド6床、集中病棟12床、一般病棟8床に分割していった。

 オーバーナイトベッドは、救命救急センターと同一フロアに設置しており、オーバーナイトベッドの隣に観察10床、その隣に初療6床が配置されている。オーバーナイトベッドは、原則的に救急時の一泊入院のみで、夜間入院専用病床という扱いにした。入院翌日には、退院、転院、転棟といった転帰の決定を徹底。これには看護部によるベッドコントロールが重要で、看護部に徹底してもらったという。

◆夜間専用病床は滞在2日以内が9割超
 実際のオーバーナイトベッドの利用動向(13~14年の合計実績)について、入院する時間帯は、夜間が93.5%で、他の病床の空きがない臨時対応として日中が6.5%となった。夜間入院専用の病床として徹底して運営できている。滞在日数は、2日以内が9割を超え、ほとんどの患者が翌日にほかへ移せる体制ができた。

 例外として、3日以上滞在がある場合としては、高齢者の感染症(結核、インフルエンザ、ノロウィルス)など適切な病床が見つからない事例がみられた。

(続きは本紙で)

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