先日、梅雨の合間を縫って千葉県南房総市の海水浴場に行ってきた。地元が千葉県ということもあり、学生時代には県内各地の海に毎週といっていいほど通っていた時期もあったが、最近では久しぶりだ。
館山、鴨川などの南房総に東京寄りの自宅から行く場合には、以前は京葉道路の市原インターチェンジを降りてから延々と国道16号線、国道127号線を海岸線沿いに走るルートしかなく、どんなに早くても3時間以上はかかっていたと記憶している。ところが今では、京葉道路から館山自動車道への延伸や東京湾アクアラインの延伸により、飛躍的にアクセスが楽になり時間も短縮された。同時にサービスエリアもきれいになり運転も快適だ。
ところで、南房総に行くときに毎回立ち寄るのが道の駅であり、楽しみの1つでもある。中でも鋸南富山インターチェンジの少し先にある「道の駅富楽里とみやま」には、毎回立ち寄っている。
同施設は、一般道からも高速道路からも入れる国内でも珍しい道の駅であり、一般道路から入る場合は「道の駅富楽里とみやま」、高速道路側からはパーキング施設として「ハイウェイオアシス富楽里」という名称に区別されているものの、中に入れば同じ施設だ。建物は2階建てで1階が直売、物産コーナー、2階が各種飲食施設や地元の情報コーナーで構成されている。驚くのは、この施設が平日でもお客さんでにぎわっていることだ。
というのも、1階の鮮魚売り場である大漁市場は地元の漁協直営であり、近くにある小浦漁港で水揚げされた海産物が水槽を泳ぎ、その新鮮な魚介類を加工してもらえるのである。そして2階の海鮮レストランではその地魚を使用してお寿司や定食を提供してくれる。
また、地元の350人の生産者が作った南房総の旬の野菜がこれでもかというほど数多く陳列されており、ほかのお客さんが買う勢いに促され、思わず手が出てしまう。さらに地元の人が作ったお寿司、大福、惣菜なども名前入りで販売されており、地元色を前面に出している。言うなれば最も新鮮な生鮮スーパーとも言え、価格もリーズナブルなため、お客さんが数多く集まる観光スポットとなっているのは当然といえる。
後で調べて分かったことであるが、南房総市周辺には今回訪れた道の駅富楽里とみやまを含め10カ所に及ぶ道の駅があり、それぞれが特徴ある施設であるという。千葉県は海、山に囲まれ、国内でも農業、漁業、畜産で有名であり、特に南房総は観光地化されているため、施設の特色を出しやすいともいえる。道の駅巡りを目的に南房総を旅行するのも面白そうだ。