森トラスト(株)が札幌市の中心部に外資系ホテルを整備すると発表した。大通公園沿いにある農林中央金庫跡地に複合ビルを建設し、その核施設として導入するという。世界的な集客力のある外資系ブランドを誘致する方針を打ち出しており、いわゆるラグジュアリーホテルが予想される。
線引きが難しいところではあるが、札幌には外資系ラグジュアリーホテルがないと言われている。例えばハイアットブランドはない。森トラストはこれまでコンラッド、ウェスティンホテルなどを展開しており、札幌でも同様のブランドが出店する可能性はある。札幌出身で、「グランドハイアット東京」に宿泊して以来、外資系ラグジュアリーホテルにハマった筆者としてはなんとも心躍るニュースだ。
ここで注目なのが、事業者が森トラストであるということだ。というのも今年3月、森トラストはマリオット・インターナショナルの最上級ブランド「JWマリオットホテル」を奈良市に出店することを発表した。県営プールおよび奈良警察署跡地に出店するものだ。会見で奈良県知事が「奈良エリアは観光地として人気だが、宿泊客が少ないのが課題」と話していた。
奈良市にはJWマリオットホテルが出店する。
果たして札幌市は
(写真はJWマリオットホテル奈良のイメージ)
外資系ラグジュアリーホテルは「あのブランドに泊まりたい」と、『決め打ち』で宿を取る人が多い。JWマリオットホテルも多数のファンがいるはずで、宿泊客の誘致につながる。
ところで、あるコンサルタントに奈良市へのJWマリオットホテルの出店をどう見るか聞いたことがある。その人はある高級ホテル誘致に関する手伝いをしていたのだが、誘致する側はできるだけブランド力のある最高級ホテルを誘致したいという。とはいえ、最高級ブランドはやはり立地や街のブランドも最上級でないと誘致は難しいだろう。
ところがJWマリオットホテルの計画地は「普通の住宅街」と聞いている。そのため前述のコンサルタントは「奈良市の住宅街にJWマリオットホテルが来るから我々も最高級ブランドを誘致しないといけなくなった」と漏らしていた。つまり、奈良市へのJWマリオットホテルの出店は高級ホテル誘致においてある意味ハードルを下げる出来事だったということだ。
前置きが長くなったが、札幌市に縁がある人間としてはこう思う。「森トラストなら超ハイブランドなホテルを引っ張ってきてくれるのでは」と。そして「1つと言わず3、4つラグジュアリーホテルを作ってくれても良いんダゼ」と。