商業施設新聞
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第35回

(株)オッシュマンズ・ジャパン 執行役員 松本敦司氏


19年度に20店体制へ
小型業態開発で出店加速
既存店の改装も着手

2016/7/12

(株)オッシュマンズ・ジャパン 執行役員 松本敦司氏
 (株)セブン&アイ・ホールディングス傘下の(株)オッシュマンズ・ジャパン(東京都千代田区六番町3、Tel.03-6238-2542)が展開するスポーツセレクトショップ「オッシュマンズ」は1985年に1号店を原宿駅前にオープン、現在は国内で8店展開している。これまで大型店で首都圏に展開していたが、2015年に小型の新業態を開発、西日本に初進出するなど、19年度20店を目指して体制を整えている。同ブランドの戦略について、同社執行役員 松本敦司氏にお話を伺った。

―― 相次いで新業態を立ち上げています。
ウィークエンド・ティップス・オッシュマンズの外観
ウィークエンド・ティップス・オッシュマンズの外観
 松本 15年10月にレディスに特化した新業態をルクア大阪に開店した。この店舗は西日本初進出の記念すべき店舗でもある。さらに16年3月にルミネ立川に小型新業態を立ち上げた。「ウィークエンド・ティップス・オッシュマンズ」という名のとおり“ウィークエンド=オフ”を楽しく過ごしたいというマインドを持っている大人をターゲットにした業態だ。これまでのオッシュマンズはスポーツや本格アウトドアというイメージがあったが、新業態ではピクニックや屋外でコーヒーを楽しむなど、これまでと違う「シーン」の提案を強化した。雑貨の比率が高いのも特徴で、ライフスタイルを提案するとともに、カジュアルで普段使いできる業態となった。

―― いずれも小型業態です。
 松本 既存のオッシュマンズは200坪超の大型店が多かったが、ルクア大阪店は85坪、ルミネ立川の店舗は56坪と小型店となる。大型ゆえに出店場所が限られてしまい、結果、これまで店舗数は横ばいだったが、小型化することで商業施設内への立地、駅ビルやファッションビルなど出店エリアを広げることができた。また、50~100坪の小型業態はオッシュマンズにとって最適な大きさであるというのも新たな発見だ。
 オッシュマンズは、球技はないものの、サーフィン、スタンドアップパドルボード、スノー、サイクル、アウトドア、フィットネス、ランニング、ヨガ、スイム、トレーニングと多様なジャンルを網羅している。ラインアップするには自ずと大型になっていたが、小型業態ではより趣味・嗜好を分かりやすく、明確に提案できるというメリットもある。

―― 立地について。
 松本 今後はルミネなどの駅ビルやファッションビルをはじめ、ららぽーとといった大型SCなど集客の多い商業施設に的を絞る。首都圏を主体にしつつも、西日本進出を契機に大阪でもう何店か出店し、ドミナント化を図っていきたい。
 なお、サーフィン、スタンドアップパドルボードといった新しいアクティビティも提案しつつ、商品も販売できる形態の店舗も検討の材料に上がっている。必然的に都心の商業施設からは離れるが、“自然が周囲にありつつ雰囲気の良い海沿いの立地”に、数店出店することも考えている。

―― ファッションでもスポーツテイストを取り入れる流れにあり、競合が増えています。
 松本 特にファッションセレクトでスポーツミックスするトレンドにあり、この数年でその傾向は顕著で、競合は確かに多い。だが、当ブランドの場合、ファッションからのスポーツスタイルではないため、着心地、機能性と“カッコ良さ”を両立できる。また、ほとんどのスタッフが何らかのスポーツ経験があるため、専門知識や知見も豊富で、顧客へのサポート、ホスピタリティ面でも差別化できている。商品面では、アメリカとの仕入れのパイプもあり、海外で流行っているモノをいち早く輸入できる強みもある。

―― 既存店について。
 松本 これまで既存店のリニューアルは積極的に行っておらず、17年春をめどに着手したい。新業態のエッセンスを波及させ、内装、MDともに大きく手を加える。当ブランドは男性比率が7割と高く、男性のイメージが強かった。これまで弱かった女性も取り込んでいけたらと思っており、女性プロジェクトも立ち上げた。女性目線を重視して雑貨類などを強化し、顧客との接点を増やしていく。

―― 今後の展開について。
 松本 女性に特化した小型業態、「ウィークエンド・ティップス・オッシュマンズ」業態、既存のオッシュマンズの3業態で展開していく。16年度はルミネ立川を含め2店出店する予定で、今秋には小型業態で首都圏にオープンする。17年春には既存店の改装を進める。小型業態が加わったことで出店を加速させ、19年度中に3業態で20店体制としたい。

―― 抱負をお願いします。
 松本 スポーツ業態に注目が集まっているのをひしひしと感じる。環境的には追い風だが、これだけ多様化した中でお客様のニーズを取り込んでいく難しさもある。それを打開するための新業態だ。今後、オフの楽しさ、スポーツだけでないスタイルを融合させた店舗を確立し、ファッションセレクトがどれだけ入ってきても負けない骨太な形を構築する。30年を迎えた当社の挑戦が始まる。

(聞き手・編集長 松本顕介/大塚麻衣子記者)
※商業施設新聞2146号(2016年6月14日)(5面)
 商業施設の元気テナント No.191

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