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No.29

ガーナ投資フォーラム、好評裏に終了、大統領自ら広く投資を呼びかけ


2016/6/28

ジョン・ドラマニ・マハマ大統領
ジョン・ドラマニ・マハマ大統領
 ガーナ外務省などの主催によるガーナ投資フォーラムが5月20日、東京都内で開催された。来日したジョン・ドラマニ・マハマ大統領が自ら基調講演を行い、ガーナへの投資を広く呼びかけた。

 フォーラムでは、まず駐日ガーナ共和国特命全権大使のパーカー・アロテ氏が挨拶し、日本に対してのガーナからの要望やガーナの実情などを紹介。「フォーラム終了後には、経済関係が強くなっていることを期待したい」と語った。

 続いて、ガーナ共和国外務大臣のハナ・テテ氏が、ガーナはアフリカ大陸で最もダイナミックな国であることやアフリカのゲートウェイであることなどを紹介。「皆様と一緒に仕事をしていきたい。ガーナの仕事をもっとして欲しい、調査を始めてほしい」とアピールした。

 大統領の基調講演では、まず、前日の安倍首相との会談が成功だったこと、熊本地震の被災者へのお見舞いの言葉を安倍首相に伝えたことを紹介した。首相との会談では、円借款の再開が決定し、野口記念医学研究所に先端感染症研究センターを建設することおよび人材育成奨学計画で合意した。日本ではすでに200人のガーナ人が学んでおり、今回の合意でさらに300人が日本に留学することになる。

 ガーナでは、三井物産をはじめとしてすでに約20社の日本企業が投資しており、中小企業の投資も歓迎している。投資のための枠組みを整備しており、日本の投資家がガーナで二重課税を避けるための条約も締結している。

 大統領は、ガーナの強みは人材であると強調した。全員が初等教育を受けており、優れた中等、高等教育もある。労働力はアジアに比べ安価になっている。

 アフリカには5つの経済ブロックがあり、ガーナは西アフリカのブロックに入っている。そのため、市場としてはガーナの人口の2600万人ではなく、西アフリカの3億人の市場にアクセスすることができる。アフリカ進出の最初の国としてガーナに進出し、アフリカのビジネスに慣れてから、他の国へ進出することも提案した。

 また、ガーナには豊富な天然資源もあり、鉱山関係の企業も多くある。今後は資源を単純に輸出するだけでなく、加工して付加価値をつけることも視野に入れており、ボーキサイトやアルミニウムなどで合弁のパートナーを探していくことを考えている。

 さらに農業でも投資を呼びたいとした。現状ガーナでは栽培した作物を輸出することが多いが、ガーナにも市場があり、米などの穀物は輸入も多い。今後これらの作物の輸入を減らして産出していきたい意向だ。

 大統領は「ガーナにはまだまだビジネスチャンスがある。次回の経済ミッションに参加して、今日お話したことを考えて、感じていただきたいと思う」と締めくくった。

 その後、「ガーナの投資環境とビジネスチャンス」のテーマでガーナ投資促進センター長官のマウエナ・トレバー氏が、同国の投資環境やサポート体制などについて紹介。「フリーゾーンにおけるビジネスチャンス」のテーマでガーナフリーゾーン マネージャーのクワメ・ンシア・アサンテ氏がフリーゾーンのプログラムや投資環境、インセンティブなどについて紹介した。

 最後に住友商事 電力事業第二部 部長代理の増永信彦氏が「ガーナにおける事業展開」のテーマでプレゼンテーションし、同社がガーナで建設を進めている、複合火力発電所のプロジェクトについて紹介した。同プロジェクトは8億9000万ドルを投資して340MWの発電所を建設するもので、17年9月の運用開始を予定している。同氏は「大きな支援をガーナ政府から受けた」としており、「このプロジェクトに次ぐ、2つ目、3つ目のプロジェクトを拡大していきたい」と語った。
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