商業施設新聞
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No.544

結婚式に求めるもの


岡田 光

2016/2/16

 今年は年明けから慌ただしい日々を過ごしている。仕事はもちろんであるが、プライベートでもバタバタしている。今年中に入籍を済ませ、挙式&披露宴を行うためだ。すでに新居は決まっているので、「あとは結婚式場のみ」と高を括っていたが、これがやや長期戦の様相を呈している。彼女の意向も確かめるつもりであるが、結婚式場を選ぶ難しさを改めて痛感している。

今秋にリニューアルオープンする「リーガロイヤルホテル京都」
今秋にリニューアルオープンする
「リーガロイヤルホテル京都」
 お互いに京都出身なので、挙式&披露宴は京都で行うことが決まった。まず、2月より改装を実施する「リーガロイヤルホテル京都」のブライダルフェアに参加した。最初にアンケートを記入し、小部屋で雑談した後、大きな披露宴会場に案内された。

 披露宴会場では、筆者たちを含め男女5~6組でコース料理を試食した。料理の味は満足いくもので、ドリンクの種類も豊富に取り揃えており、給仕のタイミングも抜群であった。チャペルや披露宴会場も満足いくものであったが、唯一の難点は、今秋まで施設が閉鎖されていることだ。同ホテルは、2月より大規模改修を実施し、京都の風情と現代的なデザインを散りばめたホテルとして、16年秋にリニューアルオープンすることを発表していた。担当者によると「9月下旬ごろには(改修が)完了する見通しですが、現時点でいつ完了するかは明言できません」とのことだった。

 次に見学したのが、京都駅前に立地する京阪電気鉄道グループの「京都センチュリーホテル」。同ホテルは今年3月に創業88周年を迎えるため、挙式料87%オフ、控室料100%オフという特典付きのプランを用意していた。リーガロイヤルホテル京都と同じように、アンケートを記入した後、チャペルに案内された。チャペルでは模擬挙式が開かれ、バージンロードを歩く花嫁&父親の姿や、誓いのキスシーンを見ることができた。また、チャペルの外ではフラワーシャワーが行われ、筆者たちも花びらをまいた。
 驚いたのは、披露宴会場に帰ってからのこと。なんと、挙式やフラワーシャワーの光景が、前方のスクリーンに映し出されたのである。これには彼女も大満足で、「私たちも当日、撮影してもらおうね」と言っていた。だが試食会を終えてカウンセリングを受けると、ある大きな壁にぶち当たった。それは即断即決、つまり参加後に予約しなければ前述の特典が受けられないということ。さすがに即断即決はできず、「仕方がない」と彼女に納得してもらい帰路に就いた。

 このほかにも、ホテルや結婚式場を見に行ったが、ブライダルフェアを回ってみて感じたのは、“結婚するカップルが、なかなか主導権を握れない”という点。最初にアンケートを行い、膨大な質問に答えているにもかかわらず予算を超える見積もりプランを提示してきたり、京都センチュリーホテルのように特典を受けるのに即決する必要があったりと、融通が利かない印象を抱いてしまう。顧客の嗜好がますます多様化する中で、このような対応はいかがなものなのかと危惧を感じざるを得ない。

 結婚式は人生で一番楽しいイベントであり、100組のカップルがいれば、100通りの結婚式がある。ホテルや結婚式場を展開する各社は、もう少し顧客の目線に立って、親身に対応してほしいと思う。
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