(株)サンポークリエイト(広島市中区立町1-24、Tel.082-243-4070)は、アクセサリーショップ「AneMone(アネモネ)」を展開しており、1号店となる「広島パルコ店」のオープンから今年で11年目を迎えた。代表取締役社長の新原純平氏に戦略など話を聞いた。
―― アネモネの商品の特徴は。
新原 手頃に購入できる価格帯でありながら、お洒落で大人びた雰囲気のアクセサリーを取り揃えている。オリジナル商品で例えると、一般的に甘くなりがちなリボンのヘアアクセサリーでも、色味を抑えるなどしてシックで大人っぽい雰囲気をデザインに取り入れている。
商品構成は、オリジナル商品と国内ブランドのセレクトが5対5の割合だ。中でもヘアアクセサリーを得意としているので、店頭商品の3分1をヘアアクセサリーが占める。店内の入り口にディスプレイしており、お客様を惹きつけてくれる存在だ。加えてヘアアクセサリーはオリジナル商品の比率が最も高く、こだわりを持って商品企画に取り組んでいる。ヘアアレンジを得意とするスタッフも多い。
このほか、ピアスやネックレスなどのアクセサリーのほか、小物やバッグも充実させている。
―― 出店目標など。
新原 新規出店のピークは4~5年前で年間5~6店を出店していたが、現在は既存店の改装に力を入れていることもあり、年間2~3店と落ち着いている。今年度は「アミュプラザ大分」「片町きらら」「吉祥寺パルコ」に新規出店した。
今後もこれまでと同じく、主要都市の駅ビルやファッションビルなど人が多く集まる立地に展開していく方針だ。現在は37店を展開しているが、数年後には目標である40~50店体制に到達する見込みである。
一方の改装は、既存店のブラッシュアップを図るため積極的に進めている。最新の店舗デザインに改装したり、商品の見せ方や手に取りやすい什器を導入したりするなど常に改善を心がけ、よりよい売り場作りを行っている。
―― 顧客の動向など。
新原 ターゲットは20代後半から30代前半の女性だが、年配の方が購入する事例も増えてきた。今年は、ヘアアクセサリーが特に伸びている。ややネックレス、バッグなどの売り上げが良くないが、ヘアアクセサリー、ピアス、ブレスレットなどでカバーできている。また、インバウンド効果もある。
―― 大阪駅の「ルクアイーレ」にコーナー展開している。
新原 「イセタン コスメティクス」のゾーンの一角にアネモネをコーナー展開している。コスメなどを通じて女性の美を提案するゾーンだが、ヘアアクセサリーも髪を化粧する“コスメ”の一つとして捉えた新しいコンセプトで、面白い発想だと思い実験的に展開している。ヘアアクセサリーの提案の仕方として可能性が広がったと思う。
―― アクセサリー以外のブランドもあります。
新原 ジュエリーブランドの「SIENA(シエナ)」を展開している。金やプラチナ素材を用いたブライダルとファッションジュエリーを販売している。
ジュエリーのデザインは、何年も使用できるような流行にあまり左右されないものを採用しており、30歳前後の女性に最も支持されている。
―― シエナの出店状況について。
新原 現在、アネモネと同じく駅ビルやファッションビルを中心に9店を展開している。業態が異なるし、ターゲットが似ているのでアネモネと一緒の館に出店している店舗もある。
百貨店では、期間限定で出店していた伊勢丹新宿店が常設店となり好調だ。
―― 出店戦略は。
新原 若い層を取りこみたいので、ジュエリーが得意なファッションビルへの出店が理想的だが、そうした館は少ないと感じる。
ジュエリーを求めるお客様は、他社ブランドも含め品揃えが豊富な売り場で回遊する特徴を持っている。百貨店でも若い女性はジュエリーと化粧品売り場には足を運んでおり、そうした売り場がファッションビルにもあれば相乗効果をもっと発揮できると考えている。
―― シエナの展望は。
新原 女性からの支持は高くリピーターも多いため、デザインやコンセプトなどブランドとしての手応えを感じている。ただ、クリスマス商戦などプレゼント用に男性が購入するブランドとしては認知度がまだ足りないようだ。今後は販促などを強化しブランド力の向上を目指しながら、出店を継続していきたい。
(聞き手・今村香里記者)