商業施設新聞
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No.512

わが街、伏見


岡田 光

2015/6/30

多くの店舗が集積する「伏見大手筋商店街」
多くの店舗が集積する「伏見大手筋商店街」
 京都で生まれ、京都で育った私にとって、地元・京都への思い入れは人一倍強い。特に、人生の大半を過ごしてきた伏見ともなれば、その変化には自然と敏感になる。

 伏見の商業を語るうえで欠かせないのが、京阪本線「伏見桃山駅」の駅前から延びる商店街「伏見大手筋商店街」だ。1971年に電動開閉式のアーケードが完成し、73年ごろに1番街、2番街、3番街、4番街という名前が付き、そして97年4月には、日本のアーケードで初めてとなる太陽光発電パネルが設置された画期的な商店街である。その歴史ある商店街には様々な業種の店舗が集積している。

 まず特徴的なのが、3大メガバンクが揃って出店している点だ。1番街に「三井住友銀行 伏見支店」、3番街に「みずほ銀行 伏見支店」、4番街には「三菱東京UFJ銀行 伏見支店」があり、いずれも窓口やATMを持つ。商業施設が集積する京都駅周辺や河原町周辺ならともかく、個人商店が多い商店街では珍しいケースと言えるだろう。

 加えて、最近は全国各地でチェーン展開している店舗も増えてきた。「不二家」「マクドナルド」「餃子の王将」などは歴史が古く、ことマクドナルドに関しては、平日、休日を問わず、昼間は店の入り口近くまで行列ができる。その様子を見ると、異物混入問題で客離れが進んでいるという話が嘘のように感じてしまう。飲食店に関しては、「ミスタードーナツ」「鳥貴族」「ケンタッキーフライドチキン」「牛角」「カフェ・ベローチェ」「モスバーガー」「サンマルク」「なか卯」と挙げたらキリがない。さらに、物販店も相次いで進出しており、「セブン-イレブン」「眼鏡市場」「サンドラッグ」のほか、最近では1番街に「カルディコーヒーファーム 伏見桃山店」がオープンしたことも記憶に新しい。

 この伏見大手筋商店街に、これだけの数の店舗が集積しているのには理由がある。ひとつは住宅、それもマンションが商店街の周辺に数多く立地している点だ。「伏見桃山大手筋アーバンコンフォート」「イーグルコート伏見桃山」「グランドメゾン伏見桃山」「パークテラス桃山」など、10棟以上のマンションが現存し、今なお満室が続いていると聞く。

 住宅が増えると、当然のごとく、スーパーマーケットの出店も増える。昔は「ニチイ伏見店」(現在のイオン伏見店)や「長崎屋京都店」(現在は閉店)、「西友 伏見桃山店」(同)と、数えるほどしかなかったが、同商店街内に「マイキッチンスマイル」が開店し、伏見桃山駅の東側には「スーパーフレスコ 桃山店」がオープン。前述の西友 伏見桃山店の跡地には「業務スーパー 大手筋店」などが開店した。さらに、「コープ桃山店」が移転・開業したほか、そのコープ桃山店が出店していた跡地には、「阪急オアシス 伏見店」がオープン。そのほか、同商店街の北側には「ハッピーテラダ 伏見店」も営業しており、近い将来、(株)万代も出店を予定しているという。

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 商業集積の勢いは物販店だけにとどまらない。飲食店としては「鳥せい本店」や「玄屋」が有名であるが、先ごろ、京都・一乗寺に本店を構える中華そば専門店チェーンの「珍遊」が大手筋店を開店。15年秋には、ホットヨガスタジオ「ビクラムヨガ 京都伏見」がオープンする予定だ。商業環境が厳しくなるのはあまり好ましくないが、地元住民としては、さらなる商業集積に大きな期待を寄せている。
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