商業施設新聞
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No.509

東京の名所がまたひとつ、「品川シーズンテラス」


登坂 嘉和

2015/6/9

 東京にまたひとつ新たな名所「品川シーズンテラス」が誕生した。JR品川駅港南口から徒歩6分ほどの場所で、品川水再生センターリニューアル事業として地上部分に32階建て複合オフィスビルと約3.5haの緑地・公園が整備された。品川・高輪地区と湾岸エリアを一望できる超高層オフィスで、低層階には商業ゾーンが配置され、東京初進出や新業態など21店が出店した。至近には品川・田町間の新駅計画もあり、今後の街づくりが期待される。

品川シーズンテラスから田町新駅方面を望む
品川シーズンテラスから田町新駅方面を望む
 品川シーズンテラスは、東京都が管理する芝浦水再生センターの再構築に伴う上部利用事業として08年に事業着手した。雨天時の雨水貯留池を地下部分に設け、地上部は大型複合ビルと緑地・公園を整備した。免震構造32階建て延べ約20万6000m²で、地上5~31階は各フロアの有効面積が5000m²の高規格オフィス仕様となり、高層階から東京湾岸、さらに品川・田町間で街づくりが行われる広大な遊休地が望める。NTT都市開発グループによると、15年度末までに全賃貸フロアの75%までテナントを導入する方針だが、最上階は展望台として飲食店などを導入して欲しいものだ。


BUTCHERの「バーベキューポークリブ」
BUTCHERの「バーベキューポークリブ」
 商業ゾーンは地上1~3階部分に導入した。オフィスワーカーを対象とした利便施設を中心に展開したというが、意外と目新しいお店が多数出店している。九州・福岡から東京に初進出した「BBQ&Grill BUTCHER NYC」は、牛ステーキとポークリブの専門店だ。北側の芝生広場とデッキに面した店舗は、ブラウンに統一したシックな店づくりで、カジュアル感覚で食事が楽しめる。同店では、専用の熟成庫で約1カ月間以上寝かせたエイジングビーフをNYスタイルのステーキとして提供する。さらに米国テキサスから取り寄せたスモーク&グリラーで6時間をかけて、じっくりと焼き上げたバーベキューポークリブも人気商品だという。「エイジングビーフ」は1ポンド7500円、「ポークリブ」は500円からで、飲み物はシラーワインがお勧めである。


 また、タイ・チェンマイ料理の「サイアム セラドン」も気軽にエスニック料理を楽しめる専門店だ。国内で初めて「トムヤムラーメン」を開発した(株)スパイスロード(東京都新宿区)グループが出店したカジュアルタイプの店で、タイから来日した調理人がトムヤムラーメンやガパオ、デザート、フルーツジュースなど88種類のメニューを調理、提供する。同社代表の涌井征男氏はタイ料理を広め、タイのファンを増やしたい想いで首都圏に多くの店を展開している。

 このほか活豊後サバ刺しが売りの「九州熱中屋」は、地元や漁師、釣り人しか味わうことができない活きサバの刺身をメーンメニューとしている。さらにフードコートには「喜多方ラーメン坂内」が出店した。坂内は昨秋、福島県喜多方市を訪れて店の前までたどり着いたが、食べることができなかった。

 今回、取り上げた4店にはプライベートでぜひ行ってみたい。20年には新駅が開業し、27年にはリニア中央新幹線「品川新駅」も開設される。今から10年後の街を想像したい。
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