開業して1カ月の新幹線に乗って、北陸地域へ取材に行ってきた。三井アウトレットパーク北陸小矢部の現地説明会や、ユニーからラスパ白山店の開店セレモニーの案内が舞い込んだためだ。金沢市役所と白山市役所でも様々な情報を得たので、新聞記事にする前にここでこっそり紹介する。
開業3カ月前の三井アウトレットパーク
北陸小矢部の見学会には多くの
報道陣が詰めかけた
三井不動産は、富山県小矢部市に三井アウトレットパーク北陸小矢部を7月16日に開業することを決めた。さらに前回の発表よりも19店多い、173店体制とすることを明らかにした。三井アウトレットパーク全13店の中で入間(埼玉県)に次いで2番目に大きな規模になる。完成間近の建物外観の見学会が開かれ、地元テレビ局なども多く詰めかけた。当日、地元のニュースは開業3カ月前の三井アウトレットパーク北陸小矢部の話題で持ちきり。地元の期待の大きさがうかがえた。
三井アウトレットパーク北陸小矢部の建物外観はほぼ完成しつつあり、あとは細部の調整や内装を残すのみという状態に見えた。日本海ブルーで彩られた大観覧車も地域のシンボルになりそうな威容でそびえ立ち、三井不動産は名称の公募している。
28の専門店が3万2200m²の敷地に広がる
ラスパ白山
翌日、石川県白山市でユニーがラスパ白山をオープンした。ラスパとは、フランス語の洗練(ラフィーネ)、微笑み(スリール)、広場(パルク)の合成語で、店は核店舗のピアゴ白山店と28の専門店が3万2200m²の敷地に広がっていた。さらに2万500m²ほど敷地の拡張を検討しているようで、さらに大きな施設になりそうだ。
記者会見した佐古則男社長と執行役員・北陸担当の澤田泰次氏は、「アピタは北陸ですでに10店展開している。ピアゴも新店2店の出店を計画中で、さらに構想中の新2店を加えて北陸のピアゴ全体で10店体制を目指す」と意気込みをみせた。
石川県では同日、イオンモールがかほく店(かほく市)を新装オープンし、「さらに白山店開設の計画を持つ」(白山市役所職員)。ユニーとしては、強力な競合がいることを意識して、あえて強気の姿勢をみせたのかもしれない。澤田氏は「金沢市周辺は人が増えており、商業の競争では負けられない場所だ」と意気盛んだ。
石川県の都市開発では、このほかに金沢市での金沢A地区再開発、金沢駅武蔵南地区再開発、西金沢駅前・商業/住宅開発、ほかにも多くの区画整理事業がある。「副都心北部大河端土地区画整理事業は、有力な商業施設導入を伴う、注目度の高い区画整理事業になりそうだ」と金沢市役所の職員は話してくれた。金沢市内には、207件(2012年9月集計)もの区画整理事業計画があるが、市職員数に限りがあることから、区画整理組合に市職員を派遣することはせず、事業の進行は区画整理組合に全面的に任せているという。今後の地域開発について「イオンモールの計画が浮上したことなどから白山市に勢いがある」と金沢市職員は語る。
さらに今夏、コストコが石川県野々市市と富山県射水市に出店を予定している。うまい食べ物と料理、雄大な自然や温泉、伝統工芸、神社・仏閣などへ観光客が北陸新幹線で訪れ、今後は商業施設が訪問先に加わる。
北陸の商業施設は、岐阜、長野、新潟を含めた広域を商圏とし、旅行会社や運輸会社とともに旅行と買い物による回遊性を進化させるだろう。