商業施設新聞
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No.496

広島駅周辺で建設工事が続々


今村 香里

2015/3/3

広島駅北口の工事風景
広島駅北口の工事風景
 久しぶりに広島駅を訪れると、計画中の開発案件が続々と工事に入っていた。JR広島駅は、改札内の自由通路を新設したほか、増床する予定の商業床の工事も進めている。駅の北口では、改札外からでも南口と行き来できるペデストリアンデッキの工事の真っ只中。その北口周辺では、「二葉の里地区プロジェクト」が進行している。ここには、住宅、医療、オフィス、商業の複合機能が集積される。

 先行して1階が自社のスーパーマーケットとなるイズミの本社が完成している。奥の区画では、広島県と広島医師会の「(仮称)高精度放射線治療センター」と「(仮称)地域医療総合支援センター」の合築施設の建設工事が着々と進んでいる。その隣にある「広島鉄道病院」では、東側敷地で建て替え工事の真っ最中だった。

 残る区画には、イケアが出店するほか、大和ハウスがオフィス、ホテル、商業施設の複合施設を建設する予定。このほか、広島テレビの本社ビル、エネコムによるデータセンターの建設などが計画されている。これらの着工はまだのようで、更地の状態だ。

広島駅前南口Bブロック再開発ビル
広島駅前南口Bブロック再開発ビル
 一方、広島駅の南口では、市街地再開発ビルの建設が進んでいる。駅の目の前にあるBブロックは、イメージパースの全景に近い形が現れてきた。ここには家電量販店のビックカメラが低層階に出店し、高層階はマンションとなる。

 隣のCブロックも着工していた。こちらも商業機能と住宅の複合施設を計画しており、家電量販店のエディオンとスポーツ施設が入る。

 電化製品の買い物は、広島の繁華街である八丁堀や紙屋町のエディオンやヤマダ電機で買うのが主流だ。そのほかの大型店は郊外などにある。
以前、広島駅ビル「アッセ」を運営する久本社長(現在は顧問)に取材した時、「駅前に家電量販店が出店すると、駅周辺に必要な機能がこれで揃う。駅周辺を1つのSCとして回遊し買い物してもらいたい」と話していた。ペデストリアンデッキの設置で、北口と南口の回遊性も向上すると思われ、これらが完成する2016~19年にかけて広島駅周辺は大いに賑わうだろう。さらに、東京オリンピック・パラリンピックも影響し、元々外国人に人気の観光地である広島は、これまで以上に多くの人が来るのでは……。広島電鉄(路面電車)の駅乗り入れや、アッセの建て替えなども水面下で計画が遂行されており、広島の新しい将来像が楽しみである。

 そういう私は、仕事でしか広島を訪れたことがない。次回はプライベート旅行で、厳島神社を観光し、本場のカキを堪能したいと思う。
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