最先端リサーチパークは、茨城県がつくば市で分譲を進めている半導体関連企業向け事業用地。半導体関連の企業の研究開発施設および本社機能の誘致を進めている。
同用地は2022年6月に、台湾の半導体受託製造大手であるTSMCがつくば市の産業技術総合研究所(産総研)つくばセンター内にクリーンルーム施設を備えた初の海外研究開発拠点となる「TSMCジャパン3DIC研究開発センター」を開所したことを契機に、最先端の半導体関連産業の研究開発拠点の集積を目指して創設している。
つくば市学園の森2-12-3に所在。総面積は約9万m²で、第1期エリアは約3.1万m²、第2期エリアは約5.9万m²。22年には空調設備やクリーンルーム設備などを扱う(株)朝日工業社の立地が決定。現在、技術研究所の建設を進めており、9月の完成を予定している。
最先端リサーチパークで建設を進めている朝日工業社の技術研究所
同用地はつくばエクスプレスの研究学園駅から約1kmの好立地。つくば市には日本自動車研究所や高エネルギー加速研究機構など、国などの研究・教育機関が29機関立地。さらに民間企業の研究施設も多数立地しており、日本最大級の科学技術都市となっている。研究機関や大学、企業などが連携し研究開発の完成度を高められるよう、研究設備の共用や研究成果などのついての情報共有を図る「つくばグローバル・イノベーション推進機構」によるニーズのマッチングなど、科学技術や人材の集積を最大限に活かしイノベーションにつなげていく取り組みを推進しており、400社近くのベンチャー企業が誕生している。
同用地は都心から50km圏内に所在。研究学園駅は秋葉原駅から最速46分となっている。茨城県内の圏央道は全線開通しており、今後圏央道の県内区間の4車線化が予定されている。圏央道のつくば西スマートICが25年春に供用開始を予定。さらに常磐道のつくばみらいスマートICの設置も計画されている。
つくば市は、22年4月にスーパーシティ型国家戦略特別区域に指定されており、AIやビッグデータなどの利活用と規制・制度改革を推進し、暮しを支える様々な最先端サービスを地域に社会実装していく取り組みを進めている
茨城県では、半導体、次世代自動車関連産業などの企業の本社移転や生産拠点の整備に対してトップレベルの補助制度を用意しており、本社機能を県外から茨城県に移転する場合には本社機能移転強化促進補助金を用意している。また、生産拠点を整備する場合には次世代産業集積・カーボンニュートラル強化プロジェクト補助金が活用できる。
同用地は、分割での分譲も可能だ。1万m²程度からの分割を想定しているが、立地希望者の要望に応じて柔軟に対応していく方針。また、特別高圧電力に関しては、東京電力との協議が必要となり、立地に時間を要するため、製造工場の立地には向いていないとしている。茨城県では、製造工場の立地についてはひたちなか市で分譲を進める常陸那珂工業団地への立地を勧めている。