プロロジス(日本本社=東京都千代田区丸の内2-7-3、Tel.03-6860-9090)は、茨城県つくば市で物流施設「プロロジスパークつくば3」を竣工した。ファッションECを運営する(株)ZOZO(千葉市稲毛区緑町1-15-16、Tel.043-213-5171)の新物流施設「ZOZOBASEつくば3」として開設する予定で、8月の稼働開始、11月の本格稼働開始を予定している。
同施設はつくば市御幸が丘34の敷地6万8512.91m²に柱RC+梁S造り5階建て延べ床面積15万7367.69m²で開発。入居企業による倉庫内への自動化への対応など、最先端技術の導入を設計段階から視野に入れ、使いやすいノンブレースの建物構造を採用している。
45フィートコンテナセミトレーラーおよび21mフルトレーラーを含む大型車両が直接各階にアクセス可能なダブルランプを備え、基準階の有効高さは5.5m、床荷重を1.5t/m²とした。施設内にはカフェテリアや休憩室を設置。乗用車駐車場は571台を確保。さらに全館空調を導入する。環境負荷低減にも配慮し、全館でLED照明を採用。倉庫内にはプロロジスが共同開発した高天井用センサー付きインテリジェントLED照明を設置。屋根面には約3.9MWの太陽光発電設備を備える。
敷地内には、オフィス、シェア倉庫実証実験エリアを備えたインキュベーション施設「inno-base TSUKUBA(イノベース ツクバ)」を設置し、4月に開設する予定。「プロロジスパークつくば3はZOZOの専有施設なのだが、inno-base TSUKUBAを同居させたいと申し出たところ、ZOZOから快諾を得た」(プロロジス代表取締役会長兼CEO山田御酒氏)としている。スタートアップの事業成長にも寄与する小型オフィス・実証実験エリア・シェア倉庫をあらかじめ物流施設に併設し、提供するのはプロロジスでは初の取り組み。開設に先立ち、プロロジスとつくば市で22年10月に「つくば市とプロロジスとのスタートアップ推進に関する連携協定」を締結している。
プロロジスは、つくば市内でZOZO専用物流施設として3棟の施設を開発しており、プロロジスパークつくば3は、これらの既存施設と合わせてZOZOのファッションEC配送における基幹拠点のひとつとなる予定。延べ床面積や商品保管数などの設備能力は同社内で最大規模となる。竣工に先立ち22年10月からマテハンの導入を進めており、機械・電気工事は80%程度が完成している。
マテハン設備は(株)豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーが、吊り下げ式高速仕分けシステム「Pocket Sorter」の導入を進めている。同社のオランダ子会社Vanderlandが開発したもので、最新の物流自動化システムとしてeコマース業界を中心に欧米で高い評価を得ており、今回が国内初採用となる。ポケットに商品を入れて搬送し、天井空間を有効に使える設備で、これにより、既存拠点に比べ約30%の省人化を見込んでいる。
施設内にはファッションをテーマにコンセプトの異なる2つの休憩室を設置。1階の休憩室は「デニム」、5階の休憩室は「プレイド(格子柄)」をコンセプトとする。
稼働開始に向け、商品管理のアルバイトスタッフを約500人採用予定で、地域の雇用創出への貢献を目指す。
竣工にあたり、ZOZO代表取締役社長兼CEOの澤田宏太郎氏は「この施設はチャレンジングな施設で、他の施設に比べオートメーション化を3歩くらい進めた施設となる。8月の稼働開始、11月の本格稼働を目指しており、今後もつくば市に根付いた企業となっていきたい」と語った。