(株)プロロジス(東京都千代田区丸の内2-7-3、Tel.03-6860-9090)は、茨城県古河市の北利根工業団地で「プロロジスパーク古河シリーズ」の開発を進めている。第1期の開発ではBTS型(特定企業専用)物流施設3棟を開発済み。第2期のプロジェクトでは、BTS型1棟の開発に加え、同シリーズ初のマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク古河4」を開発し、入居企業を募集中。さらに2024年12月にHAZMAT(危険物)倉庫8棟からなる「プロロジスパーク古河6」を竣工。また、このほど同じくHAZMAT倉庫群の「プロロジスパーク古河7」を着工した。
古河6は、リチウムイオン電池(LiB)、化粧品やアルコール類などを保管できる危険物の屋内貯蔵施設。約2万1100m²の敷地に8棟の倉庫および付属棟で総延べ床面積約8900m²の施設を整備した。HAZMAT倉庫は1棟の延べ床面積が最大1000m²までしか認められていないため、約1000m²の倉庫が7棟、敷地の形状などの都合から同約500m²の倉庫1棟を建設した。HAZMAT倉庫は軒高6mまで、平屋建てで、倉庫の外側から10mの空地が必要などの規制があり、それらを確保。倉庫同士の間は緩和規制があり、5mを確保している。外部と床の高さが同じ、低床の倉庫なので、5mと広い庇を設置。自治体によって、庇の面積も1000m²の規制内に入れるところもあるが、同施設は例外で建物内の面積だけで1000m²を確保できた。
倉庫の床は真ん中をやや高くしており、液漏れなどが発生した場合周囲の溝に流れて、ダクトの下に集まるように設計されている。
水害対策で、壁はシーリングで水に強くしており、1mの止水板も設置。発電設備は管理棟の上に置いている。消防設備は移動式のものを採用。フォークリフトの充電設備は倉庫の外部に設置している。倉庫の壁は強固に作られているが、屋根は軽くして爆発事故が発生した場合には、屋根が吹き飛ぶ放爆仕様としている。
古河6は古河4の一部と合わせ、(株)丸和運輸機関の入居が決定している。同社では一部倉庫にラックの設置を進めている。危険物倉庫の場合、パレットで積み上げると高さの制限があるが、ラックだとその制限がなくなる。
古河4は、6万8129.87m²の敷地に3階建て延べ床面積12万3266m²で建設。23年5月に竣工している。地域に水害があったことから、1階部分を海抜17mまで上げている。ダブルスロープを南北2カ所に設置。1・2階は両面バースを備えクロスドック使用にも対応可能。2・3階は保管効率を重視したメゾネット形式とし、梁下有効高は6.3~8.6mで保管効率が格段に向上している。施設全体で最大8企業の入居に対応し、最小賃貸面積は約5900m²から利用可能だ。
南北2カ所にエントランスやカフェテリアを設置。南側には売店も設置予定。共用部には人感センサー付きLED照明を採用し、倉庫内には鷹天井用センサー付きインテリジェントLED照明を設置している。施設屋根面には6MWの太陽光発電設備を設置し、3月から発電開始予定。自家消費を行うとともに余剰電力の自己託送を行う計画である。
また、HAZMAT倉庫も併設しており、(株)ロジコアが古河4の2・3階部分の一部と合わせて入居している。同社ではアース製薬の備蓄倉庫として活用しており、HAZMAT倉庫では主にエアゾル製品を保管している。
古河4では、1階のA-1区画9024.67m²、2・3階のC区画1万9720.08m²、2・3階のD区画2万349.48m²の入居者を募集している。