2024年12月、1泊2日で福岡県へ出張にいった。主な目的は、北九州市の商業施策と福岡市内にある商業施設のリニューアルの取材であったが、印象的だったのが、福岡市天神エリアの再開発状況だ。天神エリアでは、福岡市が数年前から推進する再開発プロジェクト「天神ビッグバン」に伴い、様々な施設の建て替えが進んでおり、天神ビッグバンによる規制緩和第1号となる「天神ビジネスセンター」、旧大名小学校跡地を活用した商業とホテルなどを配した複合施設「福岡大名ガーデンシティ」が開業している。
仮囲いが外されたONE FUKUOKA BLDG.
さらに今春、西日本鉄道(株)(西鉄)が本社跡地で開発を進めていた大型複合ビル「ONE FUKUOKA BLDG.」がオープンする。約120店を集積した商業やホテル、オフィスなどを配した施設で、天神ビッグバンにおいて集客の核となる施設といっても過言ではないだろう。ONE FUKUOKA BLDG.の前を通ると、巨大な仮囲いは外され、残すは入り口付近の外構工事のみのような状態だった。旧建物は何度か使ったこともあって、新しいビルができることは感慨深い。
ONE FUKUOKA BLDG.の開業によって、天神エリアでのビジネスパーソンの需要拡大が見込まれ、周辺の一部商業施設では飲食や生活雑貨などを新たに導入するリニューアルも検討されており、店舗構成などにも影響を与えそうだ。
天神ビッグバンによって、街の風景はさらに変わっていく。24年には三菱地所(株)が、商業施設「イムズ」跡で計画する「(仮称)天神1-7計画」を着工した。低層に商業施設、中層にオフィス、高層に「エースホテル」を導入する複合ビルで、26年12月末の竣工を目指し、整備が進んでいる。24年12月に訪れた際には、以前の建物はすでに解体され、基礎工事が進んでいるようだった。ここも旧建物を訪れたことがあり、円形状で天神エリアの他の施設にはない特徴的なデザインが印象的だった。
今後も天神ビッグバンにより、天神エリアにある様々な建物の再開発が計画されており、街の風景が一変していくのだろう。どんな施設に生まれ変わるのか楽しみである反面、以前の施設を知っているだけに、変わっていく寂しさを感じた。それでも、次に訪れたときにどのように街が変化しているのか、記者として注視していきたい。