商業施設新聞
新聞情報紙のご案内・ご購読 書籍のご案内・ご購入 セミナー/イベントのご案内 広告のご案内
第447回

(株)アールケイエンタープライズ 店舗運営本部 RD事業部 部長 堀井聡氏


「ロデオドライブ」を10店展開
マーケット拡大に伴い成長

2024/9/10

(株)アールケイエンタープライズ 店舗運営本部 RD事業部 部長 堀井聡氏
 (株)アールケイエンタープライズ(横浜市中区)は、横浜や東京都内でブランド品の買取、販売、修理などを行う「ロデオドライブ」を展開している。二次流通・リユースのマーケットが拡大する中、同社も着実な成長を続けており、6月20日には「ロデオドライブ THE YOKOHAMA FRONT」(ヨコハマフロント、横浜市神奈川区)をオープンするなど店舗展開も積極的だ。同社店舗運営本部 RD事業部 部長の堀井聡氏に聞いた。

―― ロデオドライブの紹介から。
 堀井 1954年創業で、70年の歴史を持つ質屋を母体とし、質屋の機能に加え、ブランド品の買取、販売、修理という4つのサービスを提供する店舗(店舗により提供するサービスは異なる)だ。質屋は偽物を見極める力の〝真贋力〟が重要。ロデオドライブもこの真贋の正確さが強みである。
 国内、海外で商品の相場情報を把握し、店舗やオークションなど売り先もしっかり確保しているのも特徴であり、強い部分だ。

―― 店舗展開は。
 堀井 地元の横浜エリアを中心に、東京都内、海外の香港を含め、路面や百貨店を中心に計10店を展開している。全サービスを導入した「横浜関内店」(横浜市中区)、「新宿歌舞伎町店」(東京都新宿区)、買取+販売+修理の「元町本店」(横浜市中区)、「銀座」(東京都中央区)、販売+買取の「西武渋谷店」(東京都渋谷区)、「尖沙咀」(香港)、買取専門の3店(銀座、渋谷、そごう横浜)があるほか、6月20日には新店をヨコハマフロントに開業した。

―― 好立地の店舗が目立ちます。
 堀井 立地は厳選し、駅に近いところや、大通り沿いの視認性の良い場所など、より好立地への出店を意識している。ベースが神奈川・横浜で、その後都内に進出し、各エリア内で移転やスクラップ&ビルドなどを行いながら、より良い場所を求めてきた。
 これまで横浜に地盤を築いてきたが、県外からのお客様も増えたため、都内への出店を強化。例えば銀座では既存の買取店に加え、2023年11月に販売も行う店舗を開業し2店体制とした。

―― 足元の状況は。
 堀井 販売面の直近3年を見ると、買い上げ点数は微増程度だが、売上高は非常に伸びている。2~3期前は既存店の集約などがあり、店舗数が減った中で買い上げ点数・売上高とも微増にとどまったが、前期は高額商品が好調に販売でき、売上高が大きく伸びた。
 また、22年9月に横浜関内店を開業したタイミングで希少性の高い商品やヴィンテージ品の取り扱いを強化。その結果、実物を見たいというニーズが高まり、大阪など関西圏から来店されるお客様も増えた。
 会社全体の業績も好調で、モノの相場が高くなったという外部的要因に加え、買取専門店の増加による在庫の確保や、百貨店との協業、オークション事業の成長なども会社全体の業績に貢献し、それが店舗事業にもつながっている。

―― 百貨店への出店について。
 堀井 元々、催事などで百貨店との関係性はあったが、22年11月に西武渋谷へ常設店を初めて出店し、24年1月にはそごう横浜に買取専門店をオープンした。加えて、同店は百貨店の外商部門とタッグを組み、外商の顧客に買取や買替をご案内するなど売買をうまく循環できる環境を百貨店内に整え、今まで買取をご利用したことがないお客様にリユースを体験いただきたいという想いから出店を決めた。
 百貨店のお客様、特に外商の顧客は、モノを買い取ってもらうことに若干の抵抗感がある人も少なくない。その中で、そごう横浜に店舗があれば利用しやすいし、外商担当者も買替のためにロデオドライブを案内しやすいと思っている。

―― ヨコハマフロントに新店が開業した。
「ロデオドライブ THE YOKOHAMA FRONT」の店内
「ロデオドライブ THE YOKOHAMA FRONT」の店内
 堀井 ヨコハマフロントは、国内初の国家戦略住宅整備事業による「横浜駅きた西口鶴屋地区第一種市街地再開発事業」として建設され、NEWoMan横浜から延びる「はまレールウォーク」から直結する43階建てのレジデンス併設型商業施設だ。新店は2階レストランフロア内唯一の物販店となり、ワンフロアで出店。約104m²の店内で販売、買取、修理のサービスを提供する。商品は主力である時計、ジュエリー・貴金属、バッグ、雑貨などのブランド品を扱う。
 ヨコハマフロントには出店したいと思っていて、念願の店舗だ。物販店として百貨店以外の商業施設へ出店するのは久しぶりで、路面店とは少し異なるデザインとした。個室の商談ブースなども設け、落ち着いた空間で買い物や買取サービスをご利用いただける。買取店のそごう横浜店、元町本店、横浜関内店など周辺のロデオドライブとつながるサテライト店舗と位置づけており、駅に近い立地で高い利便性を有する。気軽に立ち寄ってもらいたい。

―― 出店戦略は。
 堀井 今回の出店をもって、現在進行中の3カ年出店計画が完了し、来期から新たな計画がスタートするため、これから検討を始めていく。未進出エリアから出店依頼をいただくこともあるが、基本的に直営展開を行っているので、出店の前に人材育成をしっかりやってからというのが前提にある。まずは人材を育成してから次の出店のフェーズへ移っていきたい。

(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2553号(2024年7月9日)(5面)
 ズームアップ!注目企業インタビュー

サイト内検索