日曜日の夜に放送しているバラエティー番組『ポツンと一軒家』が好きだ。衛星写真と地元の情報を手がかりに、人里離れた場所にポツンと存在する一軒家に向かい、そこに住む人の暮らしや人生に迫る人気番組だ。観ると、なぜここにあるのか好奇心をくすぐられる。
ポツンと一軒家とは違うが、「ポツン」の体験は都市でもできる。先日取材したカフェ「cafe96com(カフェクロコム)」がまさにそうだった。場所はラグビーの聖地「東大阪市花園ラグビー場」の最寄り駅でもある近鉄奈良線「東花園駅」から徒歩15分。住宅街の中に突然おしゃれな外装のカフェが登場する。しかし、建物自体は周辺の景観に馴染んでいる。なぜなら、カフェクロコムを運営する(株)グラムの代表取締役の築40年の物件をリノベーションした飲食店だからだ。
グラムは、大阪市の天満エリアや八尾市で居酒屋などの飲食店を運営してきたが、カフェ業態店を展開するのは初めて。住宅街のど真ん中にあり、周辺におしゃれなカフェがなく、近隣住民が日常使いできるものにしたいということで、カフェ業態を選んだという。店内は実家で使用していた柱も活用し、木目調で落ち着いた雰囲気の内装を施している。席数は20席で、より長時間滞在してもらえるようにソファー席も設けている。
メニューは、コーヒーや紅茶といった定番商品に加え、フードメニューではクロワッサンやソフトクリームをメーンに提供。さらに、リッツカールトン出身のフレンチシェフが考案した「ローストビーフ」や「煮込みハンバーグ」など本格的な洋食も提供している。客単価は1100円を想定している。住宅街のど真ん中にポツンと出てくるカフェ。遠方からでも一度訪れてみる価値があるだろう。