(株)京樽の回転寿司みさき、(株)力の源ホールディングスの一風堂、(株)トリドールホールディングスの丸亀製麺が秋の新メニューを開発し、発表および試食会に招かれたので参加してみた。どの料理も食欲を増進させられる逸品だ。
京樽は、回転寿司チェーン「回転寿司みさき」(旧海鮮三崎港)で赤酢を増量して“赤シャリ”を改良、それに合わせる看板ネタとして“絶品本まぐろ”の提供を開始した。発表会で代表取締役社長の堀江陽氏は「回転寿司のイメージを超える本格的な美味しさを、手頃価格で気軽にお楽しみいただきたいと考え、10月からシャリに加える赤酢の割合を増量し、赤シャリをさらに改良した。また、脂の甘みと旨味が濃く、赤シャリとの相性が抜群と言われる本まぐろを、アイルランド沖で獲れた天然本まぐろから中心に厳選して用意する。改良を重ねたこだわりの赤シャリと、京樽グループの調達力を駆使したネタで作る旨い寿司を提供する」と説明した。試食したところ、2年以上熟成させた酒粕を使ったこだわりの赤酢を合わせた特製“赤シャリ”の味は絶妙で、中でも醤油をつけずに食す「塩鉄火」は絶品だった。
同社長は、赤シャリについて「海外へ持って行って外国客がどのような反応を示すか見てみたい。海外店については個人的な考えなので時期は未定だが、既存ネットワーク(親会社のFOOD & LIFE COMPANIESおよびスシロー)に沿って考えてみたい」と外国市場での反応に興味があることを示した。赤シャリの海外展開が楽しみだ。
力の源ホールディングス傘下の「力の源カンパニー」が運営するラーメン店「一風堂」は10月16日に創業38周年を迎え、毎年恒例の「創業祭」企画のひとつとして、8年ぶりに看板ラーメンを大幅リニューアルした。リニューアルしたのは「白丸元味(しろまるもとあじ)」「赤丸新味(あかまるしんあじ)」「からか麺」。ラーメンは3種とも、まろやかなスープの美味しさをそのまま生かしながら、麺とかえし、チャーシューなどをそれぞれのラーメンの個性に適合させた。私は、白丸元味が一番気に入った。意外にも豚骨を感じさせないすっきりした切れのある味わいだった。広報担当の小栗歩実氏は「私は個人的には、『赤丸新味』がお気に入り。深みのあるとんこつスープと相性の良い、小麦が香る風味豊かな麺(切刃20番)を使用している。ガーリックを効かせた香油、特製の辛味噌をスープに溶かしながら、女性でも最後の一滴までスープの深みを楽しめる」と話した。
(株)トリドールホールディングス(東京都渋谷区)傘下の(株)丸亀製麺が運営する讃岐うどん専門店「丸亀製麺」は、「焼きたて牛すき釜玉うどん」、「うま辛まぜ釜玉うどん」に加え、秋の「丸亀シェイクうどん」として「こくうま玉子のカルボナーラうどん」と「青じそ香るたらポテぶっかけうどん」を市場投入した。丸亀製麺の麺匠の藤本智美氏は「『焼きたて牛すき釜玉うどん』と『うま辛まぜ釜玉うどん』は、『釜抜き麺』を採用している。『釜抜き麺』とは茹で釜から直接すくいあげ、水で締めない麺を指す。水で締めないからこそ味わえるふわふわ、もちもち食感のうどんと具材と玉子が絡むおいしさを堪能してほしい」と述べた。「焼きたて牛すき釜玉うどん」は、じゅわっと焼きたての牛肉に濃厚な玉子が絡み、また「うま辛まぜ釜玉うどん」は6種の具材を絡めて楽しむことができて実に美味しいのだが、私は、実は「こくうま玉子のカルボナーラうどん」に興味津々だった。パスタやスパゲティではなく、うどんのカルボナーラが初体験だったためだ。クリーミーなカルボナーラは、もちもちの打ち立てうどんに絡む和風仕立ての濃厚な食感で食べ応え抜群。にんにく香るベーコンと合わせることで、さらに味わい深くなる一杯だ。
猛暑が去り、過ごしやすい秋が来た。外出する人や、外国人観光客が増える中で、外食各社が食欲を掻き立てる新メニューを開発し、味わわせてくれた。海外旅行へ行かなくても、旨い料理をふんだんに食べられる日本に住んでいて幸運を感じる試食会だった。