商業施設新聞
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No.488

感謝還暦!


松山 悟

2015/1/6

友達に還暦を祝って頂きました
友達に還暦を祝って頂きました
 昨年12月に還暦を迎えた。60年を支えてくれた体と周囲に感謝している。60歳は、政治家や会社役員、個人事業者などにとっては単なる通過点かもしれないが、普通のサラリーマンにとっては大きな転換期である。郵便物を見れば銀行や証券会社から色々とお誘いのDMが来ている。そんな中、同窓会の還暦旅行の案内が舞い込んできた。同窓会などに出たことはないが、還暦旅行とやらに参加してみたい気もする。男子は髪が白くなったり、もしくは少なくなったりしているだろう。女子もさすがにかつての美貌を維持している人は少ないだろう。でもいい、会いたい。

 私は時々、ゴルフのパブリックコースに行くが、そこで定年退職後、ゴルフ三昧している人たちと一緒になることが多い。ある参加者が言うには「ゴルフの上達のコツは運動会ですよ」という。それは何ですかと問うと、「運は運で、動は道具の道、会は回数の回、つまり運道回ですよ」という。なるほどと一同笑う。和やかなひと時だ。でも私には和やかなひと時は、たまにあればいい。毎日、和やかだと体が溶けてしまいそうだ。

 一方で、酒場で隣り合わせた人と話をしていると、上場企業を勤めあげた人でも、商業施設の駐車場の整理員やマンションの管理人、送迎バスの運転手、守衛などと、働く人も多い。家庭の事情までは聞かないが、案外、割り切って働いている。
 口も聞かずに、目も合わせず、つまらなさそうに高級フランス料理を食べる夫婦もいれば、ほそぼそと年金暮らしをしながら、公営施設で卓球やバドミントンをして、笑顔の絶えない夫婦もいる。

 超高齢化社会を迎えた現代、孤独死も問題になっている。死後、1カ月ぐらいして発見されるのは寂しいだろう。私も今は独身なので、結婚相談所に入会して、最後の女を見つけようかと思ったが、最近の事件を聞いて思いとどまった。かといって恋愛もできない。貯金通帳を見せてとか血圧は高いのとか言われたら、興ざめする。女はもう卒業だ。ただ、悲観はしていない。これからの人生は、のんびりとした川下りではなくて、鮭や鯉のように激流に逆らって川登りするような、気魂で挑みたい。
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