商業施設新聞
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No.476

ある吉祥寺での一日


若山 智令

2014/10/7

井の頭公園の湖
井の頭公園の湖
 天気が良く、気候も温暖であると、外に出たくなる。こういう時は、住みたい街ナンバーワンのあの街へ行こうと思い、吉祥寺に行った時の話だ。特別に思い入れがあるわけでもないし、目当ての物があるわけでもない。ただ何の当てもなく歩いていても、何か楽しいと感じられるのが吉祥寺の良さだと思う。最近では駅ビルも開業し、北口にはアーケード街の吉祥寺サンロード商店街がありと、常にワクワクさせてくれるのである。駅周辺を一回りし、井の頭公園(井の頭恩賜公園)に向かった。

 訪れたのが日曜日ということもあり、公園内は非常に混雑していた。駅周辺とはまた違った空気が流れていて、心地よい風と相まって「日曜日の午後を満喫している感」を存分に味わった。池の周りを歩いていると、露店を出している人たちがいる。しかもクオリティの高いハンドメイドの物が売っている。到底買う気はないのだが、見る分には楽しいので色々眺めてみても、まったく話しかけてこない。「私はアーティストだから、センスを売っているので」と言わんばかりのスタンスである。普段から買い物をしている時は、あまり話しかけられたくないのだが、ここまで気持ち良く気にかけてもらえないと、孤独感すら感じてしまう。

 ひと通り商品を見て、別の店も覗いた。こちらの店は、割と丁寧に色々教えてくれたので会話も弾み、今となってみれば何に使うのかあまり分からない謎の巾着袋のようなものを買った。ここで接客態度などを求めるわけではないが、多少のコミュニケーションくらいはあってもいいのではないかと思う。

 先日、あるテレビ番組で井の頭公園を取り上げていたらしく、その番組に出ていた売店が入口付近にあることを知った。そこのソフトクリームは味が数十種類から選べるらしく、なかには変わったもの、珍しいものもあるというので、せっかくだからと行ってみることにした。予想通り、いや、予想以上の行列だ。だが、行列に並んで食べたほうが美味しいと教育されてきた人間なので、並ぶのは苦ではない。15分ほど並び、順番が来たのだが、その店で珍しいと思われるであろうバラ味、さくら味は売り切れていた。素直に白桃を注文し、美味しくいただいた。

 帰り際、有名なお肉屋があり、そこのメンチカツが美味しいというので買って帰ることにした。そこもすでに長蛇の列。最後尾に並び20~30分ほど待った。1つ200円、5つ以上お買い上げの方は1つ160円に値下げしてくれるらしい。その言葉に気付かず、4つ注文した。すると「4つと5つで値段一緒ですけどどうしますか?」と。そこに気付かなかった自分もおかしいが、昼間の接客のこともあり、一層ハッピーな気持ちになった。

 今回は割とスタンダードな吉祥寺コースだったが、次はもう少し遠くまで足を延ばしてみたい。

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