韓国のソウル市内から車で1時間ほどの京畿道龍仁市に、超大型複合レジャータウン「エバーランド」がある。同施設を運営するサムスンエバーランド(以下、エバーランド)は2015年3月までに、韓国株式市場への上場を目指している。さらにブランド価値の向上と外国人観光客の誘致のため、アクアリウムや大型ホテルを建設する計画だ。これら建設計画は、上場計画と同時に推し進められることから、韓国経済界では大きな関心を集めている。
一連の建設計画で注目されているのが、世界的水準のアクアリウムを新設することだ。急増する中国や東南アジアからの観光客を誘致できる施設が必要といわれており、アクアリウムが最も適切と判断された。
エバーランドのアクアリウムは、韓国首都圏エリアの新しい名所になる可能性が高い。エバーランドが1996年に開場して以来、20年ぶりに建てる新しいレジャー施設だからだ。現在、アクアリウムの建設に向けて、世界的に評価の高いアクアリウムに対する研究を進めている。同施設は16年頃のグランドオープンを目指す。
また、エバーランドは新規ホテルの建設も計画している。既存のリゾートホテルとロッジ型コンドミニアムなどの宿泊施設が老巧化しているためだ。近隣のゴルフ場などにも外国人富裕層が訪れることから、誘致に限界があることを考慮し、大型ホテルを建設する。
さらに、「家族とともに楽しめるエバーランド」というブランドを一層高めるために、家族で癒しを体感できる「樹木院」を作ることも検討している。
エバーランドはすでにレジャー施設隣のゴルフ場を買収しており、26万m²に及ぶ敷地を新たに確保した。このほか龍仁市一帯に開発可能な候補地は多いことから、樹木院などの新たな施設を建設することは難しくない。
エバーランドは、建設部門の造園やエネルギー低減といった取り組みで、環境にやさしい技術をアピールしている。さらにホテルや病院などのグローバル市場進出とともに、再開発プロジェクトを通じて世界に誇れる商業施設に飛躍させたいと意気込んでいる。