（株）ドミノ・ピザ　ジャパンは、売上高、店舗数ともに日本国内ナンバーワンを誇るピザチェーンだ。特に、店舗展開において積極的な出店を行っており、2021年12月には最後の空白地だった島根県に「出雲店」がオープンし、全国47都道府県への進出を果たした。33年には2000店体制を目指すなどさらなる高みへ向けて進む、同社COO／執行役員のベン・オーボーン氏に話を聞いた。

―― 足元の状況について。
　オーボーン　日本でのピザの需要の高まりなどから、コロナ禍でも順調に成長しており、業績は好調だ。我々は1985年、東京・恵比寿に国内1号店をオープンし、その後現在まで37年にわたってビジネスを行っているが、ピザを食べるシーンにも変化があり、イベント時だけでなく、例えば平日の夜などでも気軽に食べてもらえる環境になっている。

―― 現在の店舗数は。
　オーボーン　2月2日時点で888店（FC店を含む）となった。このうち、FC店の割合は50％超だ。また、21年12月に出雲店（島根県出雲市）が開業し、全国47都道府県に進出を果たすなど、現在も成長を続けている。私が今の職位に就任した19年当時の店舗数は600店程度だったが、そこから2～3年で280店程度を出店した。
　出店にあたっては直営に加え、加盟店ともパートナーシップを組みながら、戦略的な展開を行っている。さらにマーケティングチーム、ITチーム、営業チーム、オペレーションチームや店長、ストアマネージャーの存在も欠かせない。会社全体でチームとしての努力があり、今の店舗数が成し遂げられている。

―― 出店エリアについては。
　オーボーン　大都市圏などフォーカスエリアはあるが、その上で未進出エリアにも積極的に出店している。北海道は過去に撤退した経緯もあるが、再度出店し、現在は好調に推移している状況だ。我々は常に、お客様に近いところでサービスを提供したいと思っている。

―― 日本での成長余地をどう感じているか。
　オーボーン　今後も成長が見込めると思っている。店舗数で言えば長期的には33年に2000店を目指したい。その上で、各店舗の売り上げやコストなど財務環境も健全でなければいけない。FCのパートナーも含め、健全な形で成長していきたいと思っている。

―― 貴社の強みは。
　オーボーン　“チーム力”だ。日本は、世界のドミノ・ピザと比較して、平均21分45秒と世界でもトップクラスのデリバリースピードを誇っている。去年日本は、各国のドミノ・ピザがスピードを競うチャレンジで、週平均16分10秒という最速記録を樹立することもできた。日本のクルーは2万人以上いるが、そのチーム力を示した素晴らしい記録だ。一見不可能だと思われるようなことも、当社のチーム力をもってすれば実現できる。
　また、新しいテクノロジーやサービス、キャンペーンなどもスムーズに導入でき、商品やサービスのクオリティも高い。デリバリーに関しては、テクノロジーを駆使して効率性を追求している。それがスピーディに届けられることにつながっているし、他社と差別化できているところだ。

―― 店舗が急増する中、出店の質を保つポイントは。
　オーボーン　人材採用の拡大、トレーニングに特化するチームの増員、マネージャーやストアマネージャーの育成などに注力し、出店が続く中でも店舗や商品のクオリティをキープしている。中でも、トレーニングの強化には注力しており、常にスキルアップを図っている。加えて私の中では、優秀なマネージャー、ストアマネージャーを育成することが重要だと思っている。

―― 貴社が目指す企業の姿は。
　オーボーン　我々は企業メッセージとして「ピザでつながる」を掲げている。ピザは特別な食べものだ。当社の熱々でできたてのピザが届き、箱を開けたとき、仲間や家族とワクワクする体験を共有する。そして、喜びを分かち合い、つながっていく、そういうつながりを提供するのが私たちの使命だ。
　地域貢献も積極的にしていきたい。コロナ禍で、地域を支えている医療従事者などのエッセンシャルワーカー、また全国の児童養護施設などへピザの無料提供を行っている。昨年のクリスマスには、1800団体超に3万3000枚のピザを提供した。こうしたプロジェクトをもっと展開するなどし、地域・コミュニティへの貢献に努めていきたい。