商業施設新聞
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第544回

(株)和歌山ステーションビルディング 代表取締役社長 二神俊祐氏


ライフサポート型SCへ転換
40代以上の取り込みも進む

2026/10/20

(株)和歌山ステーションビルディング 代表取締役社長 二神俊祐氏
 「和歌山ミオ」を運営する(株)和歌山ステーションビルディング(和歌山市)は、施設のコンセプトの見直しを進めてきた。以前はファッションビルとして運営を続けてきたが、コロナ禍以降は生活雑貨などを扱う店舗を積極的に導入。「ライフサポート型SC」への転換を推進しており、メーンとなる客層も20代から40代以上の女性に変化してきている。同社代表取締役社長の二神俊祐氏に話を聞いた。

―― 和歌山ミオの現況について教えてください。
 二神 当施設は1968年、JR和歌山駅前に「和歌山ステーションデパート」として開業した民衆駅ビルである。施設の沿革を話すと、95年に「ヴィーボ和歌山」に施設名を変更し、ファッションを中心とした店舗構成となり、その後2010年に「和歌山ミオ」としてリニューアルした。16年からは隣接する「近鉄百貨店和歌山店」の専門店エリアも「和歌山ミオ北館」として担当することになり、本館と北館を合わせて店舗面積7600m²に約70店を展開している。売上高は20年のコロナ禍の影響で落ち込んだものの、25年度は前年度比5%増で40億円を超え、過去最高を記録した。

―― 近年のリニューアルでは非ファッション店の導入が目立ちますが、狙いは。
 二神 コロナ禍を契機に当施設の使われ方が変化してきていると認識するようになり、ファッションではなく、生活雑貨などを扱う店舗を積極的に導入するようにした。23年3月にオープンした「無印良品 500」や、26年4月にオープンした「スターバックスコーヒー」もその一環で、ヤングレディスファッション中心のSCから、生活密着型の店舗を中心としたライフサポート型SCへと施設のコンセプトも見直している。実際、テナントの売り上げも、無印良品 500やドラッグストアの「コクミンドラッグ」、食料品を扱う「カルディコーヒーファーム」などの規模が大きくなってきた。26年度は4月にオープンしたスターバックスコーヒーの売り上げを含めると、売上高はさらに伸びるのではないかと期待している。

―― 客層などの変化はありますか。
 二神 以前は20代の女性が一番多かったが、リニューアル後は仕事帰りや近隣に住んでいると思われる40代以上の女性がボリュームゾーンにシフトしつつある。ヤングファッションが中心だと40代以上の女性は来館動機がなかったと思うが、ライフサポート型SCへと転換することで買い回りしやすくなり、客層の変化へとつながっている。

―― 近鉄百貨店 和歌山店が隣接していますが、相乗効果はありますか。
 二神 百貨店なので、幅広い客層を取り込むことにはつながっている。加えて、当施設にはスーパーマーケットがないので、百貨店に食品フロアがあることで、お客様の日常使いを促進してくれていると思っている。

―― 和歌山市内にある他の商業施設との違いは。
 二神 地域と連携した取り組みに注力している。最近では、年に3~4回はJR和歌山駅前のロータリーでマルシェイベント「ミオいこらマルシェ」を開催し、地元店舗との連携を強化している。さらに当社から地域のイベントへと出向き、当施設のポイントカードを提示してくれたら、買い物券や食事券などが当たるカプセルトイの催し物も行い、来館促進へと努めている。

コンセプトの見直しを進めてきた「和歌山ミオ」
コンセプトの見直しを進めてきた「和歌山ミオ」
―― 和歌山ミオの課題は。
 二神 施設の老朽化だ。建物自体は約60年が経過し、耐震補強の対策はできているものの、空調・配管などの設備面の老朽化に対して対策を講じていかなければならない。これからも地域に親しまれるSCとして、安心して利用いただける環境を提供していくため、設備の更新に計画的に取り組んでいく方針だ。

―― 今後注力する取り組みはありますか。
 二神 既存店の売り上げを高めることに注力したい。そのため、継続的にテナント本部や店長などとのコミュニケーションを図るとともに、商品の売れ行きやポイントカードの情報などを共有し、店舗の課題解決に取り組んでいく。これらに加え、定期的な店舗リニューアルを実施し、求められるMDを強化する。今後もライフサポート型SCという意識を持って、施設の魅力度向上に努め、和歌山駅エリアの発展に貢献していきたい。


(聞き手・北田啓貴記者)
商業施設新聞2660号(2026年8月25日)(3面)

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