(株)インターメスティック(東京都港区)は、メガネ店「Zoff」を展開し、店舗数は300店超におよぶ。2025年10月には「メガネスーパー」を展開する(株)ビジョナリーホールディングスをグループ化し、店舗数は600店を超えた。より幅広い客層にアプローチできるようになり、同社とのシナジーを活かした新業態を出店する構想もある。インターメスティック代表取締役社長の上野博史氏に事業の概要、今後の取り組みなどを聞いた。
―― 店舗数からお伺いします。
上野 26年7月末時点で、Zoff事業は国内348店、海外20店(香港17店、シンガポール3店)の計368店を展開している。国内では関東圏が約半分を占め、東京都に店舗が集中している。25年10月に完全子会社化したビジョナリーHDが手がけるメガネスーパーの店舗数は国内302店となっている。
―― 既存店の状況は。
上野 5月の既存店売り上げは20%近く増加し、好調だ。商品面では紫外線に反応してレンズの色が変化する調光レンズが好調に推移している。以前は、国内ではサングラス市場は現在ほど大きくなかったが、最近は温暖化や夏時間長期化の流れもあり、サングラスや調光レンズの人気が高まってきた。
―― 出店の方針は。
上野 26年12月期はグループ全体で22店出店(7月末時点)し、うちZoffで17店出店し、まだ拡大できると思っている。Zoffは基本的に商業施設へ幅広く出店している。当社の強みは、特定のターゲット層に偏らずファミリー層を取り込めること。家族連れで来店し一緒に購入いただくケースもあり、価格帯の幅広さやラインアップの強さがファミリー層を集めている。
インバウンドのお客様の増加に対して、まだまだ店舗立地的にリーチできていない課題があるため、今後そのような場所に出店していく可能性が高い。
―― サングラスや調光レンズが売り上げの軸となり、出店に変化は。
上野 これまで店舗は約30坪としていたが、サングラスなどの需要の高まりで商材・客層が広がり、これまでの店舗面積では対応しきれなくなってきた。理想を言えば50坪以上欲しいところで、複数店舗を統合するなどして店舗面積を拡大していくことが必要だ。
―― 5月にオープンした旗艦店は他店より規模が大きめです。
「Zoff SHIBUHARA店」が5月にオープンした
上野 原宿に「Zoff SHIBUHARA店」(東京都渋谷区)としてオープンし、こちらの規模は38坪と通常より大きい。この規模感を活かしてレンズの自動加工機を備え、1時間で20本のメガネに自動で対応できる。お客様へのパフォーマンスになるとともに、レンズ加工を省人化できている。
50坪以上を確保できる場所はなかなかないが、広い区画を確保できれば、旗艦店のような設備投資を他店でも積極的に取り組みたい。地方では30~50坪で出店し、都心でもロードサイド出店の可能性がある。
―― ビジョナリーHDのグループ入りが話題となりました。狙いは。
上野 当社とビジョナリーHDでは店舗立地や客層が被らず、ほぼカニバらないためより幅広いお客様にリーチできると考えた。当社は商業施設を中心に出店しファミリー層に強みを持ち、ビジョナリーHDはロードサイド中心の出店で客層の年齢が当社よりアッパーなため、すみ分けができ、同じ館にあっても困らない。
また、ビジョナリーHDはコンタクトレンズ事業に注力しており、メガネよりも売り上げが高い。メガネは購買周期が長いがコンタクトレンズは短く、必ず当社の武器になると考えた。商品、出店、マーケティングなど、2社の強みの共有やシナジーの創出はかねて分科会で検討を進めている。グループとしての新業態も構想中だ。
―― 今後の事業構想は。
上野 昨今のメガネ業界は、高単価市場・低単価市場に二極化し、特に低単価市場だけが圧倒的に発達しており、高単価市場の規模は海外の約半分という特殊な構造だが、本来はハイブランド市場が強くなければ市場全体が活性化しない。ビジョナリーHDとの新業態も計画している。内装もZoffやメガネスーパーとは大きく異なり、良い意味でメガネ店の環境ではない店舗とする予定だ。
―― 海外事業の状況は。
上野 海外ではメードインジャパン商品が強く、国内とはブランドの位置づけを少し変えて、価格帯を約1.5倍に設定している。香港事業は安定的に推移しており、良い場所があれば今後も店舗数を拡大したい。シンガポール事業は、FC運営に切り替えていたところを自社運営へと戻した。シンガポールでは競争が激しいが、オリジナリティのあるPB商品でしっかり訴求し、アクセルを踏んでいきたい。海外の他の日本メガネ店と同質化しないような開発を進めていく。
―― 中長期の目標は。
上野 引き続きサングラスの訴求を徹底的に行い、市場をさらに拡大していきたい。また、売り上げは2桁成長で伸ばしながら、積極的に新規顧客を獲得したい。当社ではビジネスモデルの強さゆえに、これまで顧客データや売り上げの増減の要因、「誰のために何をするのか」などの緻密な分析が行き届いていなかった。現在そのモデルを一気通貫で構築しつつあり、今後の展開を楽しみにしている。
(聞き手・編集長 高橋直也/サリョールサラ記者)
商業施設新聞2659号(2026年8月18日)(5面)
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