商業施設新聞
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第321回

(株)OPA 代表取締役社長 渡邉祐子氏


金沢で大規模PJが進行中
ファッション再定義で業種拡大

2022/3/8

(株)OPA 代表取締役社長 渡邉祐子氏
 (株)OPAは、全国で11施設を展開し、うち7つの都市型商業施設を運営している。「オーパ」「フォーラス」「ビブレ」の3ブランドを中心に、イオンモールグループの都市型事業を担う。2021年秋から「金沢フォーラス」で大規模PJが進み、エリアに新たな価値を提供する。同社代表取締役社長の渡邉祐子氏に聞いた。

―― 21年3月の組織再編で新体制になりました。
 渡邉 大きく変わりつつあるお客様の消費行動の変容に対応した取り組みのさらなる強化を図るため、イオンモールグループの中で、当社が得意とする都市型商業をさらに進化させ、グループにおけるポートフォリオの都市型商業を担うポジションへの再定義を目的に組織再編し、今の新生OPAが誕生した。ターミナル立地中心の都市型ショッピングセンターの管理・運営に特化し、経営資源を集中することで、新たなブランド価値の創造を目指す。

―― 施設数は。
 渡邉 全国11施設を展開し、この中で運営・管理やリーシングなどを行う店舗事業は「金沢フォーラス」「横浜ビブレ」「高崎オーパ」「新百合丘オーパ」など7施設。店舗事業以外にも「OPA JINGUMAEビル」「梅田オーパ」などの一括賃貸業やPMによる運営受託も行っている。

―― 貴社はファッションが強い印象です。
 渡邉 5年ほど前までアパレル構成比は40%程度あったと思うが、現在はそこまで高くない。一つの要因として、洋服だけを販売する店が減った。そして、服や雑貨、服・雑貨・カフェの複合店など新しい業態が誕生し、ファッションやアパレルにカテゴライズされない店も増えた。
 また、我々が意識的に変えたのは、ファッション=洋服として、洋服を中心としたスタイルの提案だったものを、価値観やライフスタイルとしてファッションだと定義した。これは食やカルチャーなども含んだ、その人の価値観やライフスタイルになると思う。その意味で、価値観・ライフスタイルとしてのファッション提案にシフトした結果、自然とファッション以外の業種も増えた。

―― コロナ禍で好調だった業種業態を教えてください。
 渡邉 普段から顧客とのつながりを持っている店や元々ファンの多い店は、売り上げを維持した。日々増減する集客だけに頼らず乗り越えられたテナントは非常に強かった。キャラクターやアニメ、二次元、三次元、アイドルなどの物販店といったイベント的要素の高いものも反響があった。また、巣ごもり・持ち帰り需要の増加などから、食物販店は比較的好調だった。

―― 施設の新規開発は。
 渡邉 グループ全体の中で新規開発に取り組んでいく。我々はグループ内の都市型商業を担う立ち位置であるため、適した物件には携わらせていただくこともあるが、これはグループ全体の中で計画していく。まずは、各施設で立地特性に合わせたコンセプトを再構築するなど、既存店のリニューアルに注力したい。

―― 注目する業種業態は。
 渡邉 特定の業種業態ではなく、お客様の意識の変化に対応することが重要だ。例えば「心も体も美しく健康でいたい」という意識にどれだけ対応できるか。それは食、サービス、物販など様々だ。業種業態に縛られず、お客様の意識の変化に応えていきたい。
 また、当社施設の顧客層はZ世代と言われる20代の若い人が中心である。この世代は“SDGsネイティブ”世代であるため、サステナブルやSDGsなどの価値観に共感する、ストーリー性のある提案を行うことは非常に重要だ。

―― 「金沢フォーラス」のリボーンPJについて。
 渡邉 同施設は21年に開業15周年を迎えた。お客様の意識や消費行動の変化に対応するため、金沢フォーラスをリボーン(=生まれ変わる)した。ワクワクする施設を目指し、テーマを持ち活性化に取り組んでいる。同PJはシーズン1~3に分かれ、1は21年内に完了。2は今春の開業を計画している。テーマはファッションとし、新店や既存店のリニューアルなどを行う。3はフードをテーマにさらなる充実を図る。

―― 中長期的な目標は。
 渡邉 現在、商業施設のあり方が変わってきている。ECが便利になり、DtoCだけでなく、CtoCも含めモノと人々が出会う場が非常に多様化し、それを人々が楽しむようになった。こうした環境下で“当社がここにある理由・意味”を中長期の中でお客様に伝え、地域やテナントにも必要性を感じてもらえる施設を目指したい。
 加えて、テナントから見れば、お客様とのリアルなタッチポイントは非常に重要。生の声を聞き、接客し、商品やサービスを提供する時間や場所が大切であることは不変的なもので、リアルとデジタルは併走していくものだ。ふらっと来た時の偶然の出会いを味わっていただきたいところから、そういう楽しさがあるからここにあってほしいと思ってもらえる企業・施設になりたい。

(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2434号(2022年2月22日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.370

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