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第288回

(株)平城苑 専務取締役 経営企画室長 近藤昭人氏


30年までに100店体制目指す
ハンバーガーなど新業態も複数

2021/7/13

(株)平城苑 専務取締役 経営企画室長 近藤昭人氏
 高級焼肉チェーンを展開する(株)平城苑。老舗として長く愛されているが、既存業態に捉われることなく、様々な新業態にもチャレンジしている。これまでになかった焼肉食べ放題の形式を打ち出した「和牛放題の殿堂 秋葉原 肉屋横丁」、ハンバーガー業態「Wagyu Burger」などを立ち上げており、話題となっている。同社は2030年までに店舗数を100店まで拡大し、『和牛のオールラウンド・カンパニー』を目指すという。専務取締役経営企画室長の近藤昭人氏に最近の取り組みなどを聞いた。

―― 貴社の概要からお願いします。
話題となった「和牛放題の殿堂 秋葉原 肉屋横丁」
話題となった
「和牛放題の殿堂 秋葉原 肉屋横丁」
 近藤 今年創業51年目を迎え、「焼肉 平城苑」などを展開している。複数のブランドを展開しており、FCを含めて計33店、直営では計30店体制となる。主に首都圏に店舗を構え、基幹ブランドでもある「焼肉 平城苑」は22店あり、都心業態の「東京焼肉 平城苑」などを含め、焼肉業態としては25店を展開する。

―― 焼肉 平城苑の特徴は。
 近藤 当社はA5等級黒毛和牛を一頭買いで仕入れており、さらに仕入れから熟成、加工、物流までを自社工場で一元管理でき、品質と供給を安定できる体制を整えている。焼肉店は増加しているが、和牛は生産者の後継問題もあり、新規事業者が当社のように上質な和牛を大量に、安定的に購入するのは難しいのではないか。
 特定の部位のみをパーツとして仕入れる事業者もいるが、そうなると割高になってしまう。当社は一頭買いによって得られる経済的メリットによって、適正価格で提供しており、客単価はランチが2000円前後、ディナーが5000円前後。郊外や住宅立地などに店舗が多く、地域に根差した運営をしている。

―― コロナ禍の影響はありましたか。
 近藤 都心店は全般的に苦戦した。ただ、ロードサイド店は最初の緊急事態宣言が明けた後の昨年9~11月は前年の売り上げを上回った。焼肉 平城苑はロードサイドでは8割ほどがリピーターとして来店されている。毎月29日は肉の日として、お支払いいただいた分の29%分のクーポンをお渡しするなど、地域の方に様々な販促をしている成果だろう。

―― コロナ禍の中、開業した「和牛放題の殿堂 秋葉原 肉屋横丁」が話題になりました。
 近藤 20年11月にオープンした食べ放題店で、精肉店のような対面式のショーケースに肉を並べ、そこでお客様が注文するというこれまでになかった形式の店舗だ。席数は焼肉が72席、しゃぶしゃぶが38席。初日に来た方がSNSに投稿し、『バズった』。予約が1カ月先まで埋まるなど多くの方に来ていただいた。

―― どういう経緯で開発したのでしょうか。
 近藤 もともとは東京焼肉 平城苑として19年11月に出店したが、直後に新型コロナウイルスが拡大し、休業した。いざ再開するとしても、世の中の状況もあって既存業態ではなかなか集客が難しい。秋葉原という立地を考えたとき、肉の聖地と言われるほど焼肉店が多く、食べ放題店も多い。そこで食べ放題としつつ、対面方式でシズル感や五感を刺激し、自分が選んだ肉を食べられるワクワク感がある店を作り上げた。今年の秋以降、都内で2号店をオープンすることが決まっており、業態を磨いていきたい。

―― ハンバーガー業態にも参入しました。
 近藤 4月、東京・日本橋のコレド室町テラスに「Wagyu Burger」をオープンした。『和牛100%で仕上げる今までに食べたことのないハンバーガー』をコンセプトにし、パティはA5和牛100%で仕上げ、バンズはメゾンカイザーにオリジナルのものをつくっていただいた。ドリンクはnana's green teaを展開する(株)七葉に監修していただいた抹茶ラテなどを提供する。
 店舗の横展開を考えると話題性や、本物の商品が必要になる。パティだけよければいいのではなく、トータルで良いものを作りたいと思いながら開発した。

―― なぜハンバーガー業態に参入したのでしょう。
 近藤 我々は一頭買いで仕入れるものの、焼肉店としては扱いが少ない部位があり、こうした肉を有効活用できる業態を模索していた。様々な検討をする中で、スネ肉をミンチにして、和牛バーガーにするという業態にたどり着いた。
 客単価はランチ、ディナーの平均で1800円程度。デベロッパーからの出店の引き合いが非常に多く、多店化していきたい。

―― 今月、新たな業態をオープンします。
 近藤 7月8日に「ホルモン放題ベジ放題 ツキホル」を東京・月島でソフトオープンする。これも焼肉の一頭買いの産物であり、ホルモンは当社の焼肉業態では取り扱いが少なかった。ならばホルモン中心の業態を作ろうと。ホルモンを切り口にしつつ、野菜も前面に出してヘルシーさを備えており、王道のホルモン焼き店とはテイストが異なる。
 広域からトレンドに敏感な20~30代を集客しつつ、周辺住民の利用を想定している。土日はもんじゃを食べた方の2軒目としての利用も想定している。

―― 老舗ながら業態開発に積極的です。
 近藤 当社は長期ビジョンで30年までに店舗数を100店にし、さらに和牛のオールラウンド・カンパニーを目指している。焼肉 平城苑の展開が中心となるものの、様々な業態を出店していきたい。コロナ禍で、運営は難しい反面、ロードサイドに空きテナントが増えており、店舗拡大のチャンスとも言える。今後も積極的に店舗を展開し、美味しい和牛を提供していきたい。


(聞き手・編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2402号(2021年7月6日)(8面)
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