商業施設新聞
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No.404

パンダに会いたくて


若山 智令

2013/4/2

 1年越しの悲願達成。今回の出来事に見出しを付けるとしたら、こんな言葉が合うのだろう。2013年3月2日、筆者は上野動物園にいた。

 昨年の出来事から話を始める。昨年の3月20日、同じく筆者は上野動物園にいた。入り口に着く前から長蛇の列。こんなにも人気があるのかと思ったのも束の間、無料開園日を知らせる広告を発見した。どうやら毎年3月20日は開園記念日で無料開園のようだ。案の定、園内はファミリーや旅行客などで賑わい、人で溢れかえっていた。

器用に食事をするパンダ
器用に食事をするパンダ
 上野動物園に来たらパンダを見る。これはもう、居酒屋に行ってとりあえず生ビールと同じくらいベタな行動である。だが、パンダ見学60分待ちの札が丁寧に、かつあまりにも残酷に事実を突きつけてきた。
 ここで選択を迫られる。この行列に並んでパンダを見るか、効率を考えてパンダを諦めてほかの動物を見るか、筆者は後者を選択した。パンダは諦め、ほかのメジャーな動物をたくさん見て回ろうと決めた。だがこの日は無料開園日、どこのエリアも混んでいた。最後に慰めのカバを見て閉園を迎えた。帰りにせめてもの気持ちでパンダのストラップを買ったのは言うまでもない。

 今年は同じ失敗を繰り返すまいと、3月20日を避け、動物園へ行った。やはり昨年とは光景が違う。第一に人が圧倒的に少なかった。やはり無料の力は偉大だなと感じながら、パンダ、ライオン、キリン、ゾウなど主要な動物たちを堪能した。昨年諦めたパンダとの対面は格別の思いであった。

 上野動物園ではサイン整備事業という取り組みを行っており、園内にあるサインや看板に企業からの広告を募り、その資金で園内サインの更新や環境整備などを行っているようである。キリンには有名ビールメーカー、ゴリラにはガソリンスタンドなどを展開している有名エネルギー企業などが広告を掲載していた。このようなサインを子どもは読みたがる。親もそれを一緒になって見るであろう。こうして少なからず企業名は視界に入ることから、各企業のイメージアップに繋がっているのではないだろうか。

 このことから、下調べをするようになった。失敗から学んだことのひとつである。
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