紳士服業界大手の(株)AOKIが、ショッピングセンター(SC)型の新フォーマット店をオープンした。従来よりもカジュアルウエア・レディースの売り場を拡大し、店内のデザインにもこだわった。またスタッフと利用客、利用客同士のコミュニケーションが円滑に進むような工夫もあるなど、買い物を楽しんでもらいたいという意気込みが表現された店舗となっている。
SC型の新フォーマット店としてオープンした「AOKI ららテラス 武蔵小杉店」
東急線やJR線が走る武蔵小杉駅前の、ららテラス 武蔵小杉2階に「AOKI ららテラス 武蔵小杉店」がオープンし、これがSC型の新フォーマット店となった。元々武蔵小杉駅の近くにあった店舗が移転した形で、新しいモデルとなっての再オープンとした。
商品面もカジュアルウエアやレディースを拡大・強化。レディースについてはSCという立地上、女性客が増えることも見越した強化策で、コラボ商品や高機能・イージーケアアイテムなどを豊富に揃えている。
店内は温かみや懐かしさなどを感じるデザインで、これは25年にリニューアルオープンした「AOKI 銀座本店」のコンセプトをそのまま落とし込んだ。木目調の意匠だったり、照明の演出だったりと、随所にクラシカルさを取り入れているのが特徴的だ。また、AOKIといえば英語表記がお馴染みだが、同店ではカタカナ表記の「アオキ」のロゴも掲示。過去、実際に使用していたカタカナのロゴを現代風に生まれ変わらせたといい、こうした歴史も利用客に伝えたいアイデンティティであるという、AOKIの強いこだわりを感じた。
店内デザインとともに強いこだわりを感じたのは商品陳列だ。壁側に沿うようにジャケットやパンツなどが並べられ、インナーなどのコーディネート商品は店舗内側に集積している。これによって自然と店内に利用客が集まり、賑やかな雰囲気が作られる。そこではスタッフと利用客の間で会話が生まれ、トータルコーディネートにもつながる。接客を大事にするAOKIだからこそ、ただ販売するだけでなくニーズや要望をしっかり聞くための取り組みとなっている。
試着室周辺にも仕掛けがある。試着室の前にはベンチが設置してあり、ここで利用客同士のコミュニケーションを生むようにした。ECが普及する中、店舗に来て、試着をして、購入をするというここでしか味わえない体験を提供したい考えだそうで、例えば就活生・フレッシャーズだと親子での来店が多い。子どもが試着室を利用している間、親がベンチで休憩し、子どものスーツ姿を見て親子間の会話が生まれたり、大きくなった子どもの姿を親が喜ぶ、というような特別な場をつくることなども想定する。ここにも、モノを売るより、特別な場を提供したいという想いが表れている。