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麻生グループ中核の飯塚病院 院長 田中二郎氏


周産期・内視鏡手術・がんの「北棟」完成

2013/3/12

田中二郎院長
田中二郎院長
 福岡県中部に位置する飯塚都市圏の医療を支える地域中核病院、麻生グループの飯塚病院は2月1日、総工費約45億円を投じた「北棟」の落成記念式典と内覧会を開催した。当日、地元首長はもとより、在福岡アメリカ領事館、ピッツバーグ大学メディカルセンター、メモリアルハーマンヘルスケアシステムからも出席者が参集し、医療の国際連携を進める同病院にふさわしい式典となった。
 完成した北棟は、“地域の明るい明日を予感させる”をテーマに、周産期医療体制の拡大充実に力を入れた産科と小児科の連携体制を備え、また病棟は四つ葉のクローバー型構造を採用し、スタッフと患者との距離を狭めている。診療部門では、診療4~5科目をまとめて一つのかたまり(ブロック)として、受付スペースや処置スペースを共有。がん治療のPET・核医学センターも新設した。病棟は1月15日から稼働開始、外来は2月12日から診療を開始した。
 建物規模は、本館東側の看護師寮跡地3496m²に、RC造り8階建て延べ1万7441m²。設計は山下設計、施工は鹿島が担当。1~4階が外来診療部門、5~8階が病棟に大きく分けられる。各フロアは、1階が総合診療科、PET・核医学センターなどで、カフェやレストラン、コンビニエンスストアのサービススポットを配置している。2階がブロック診療室、中央検査部、3階がブロック診療室、低侵襲手術センター(内視鏡手術専用の手術室)、4階が内視鏡センター、予防医学部門として健康管理センターなど。
 5階以上が病棟で、フロアの中心にスタッフステーションを置き、4方向に病室を配置して、スタッフと患者が接する時間を少しでも多く持てるようにした。5階は小児病棟として、NICU 9床、GCU 12床を完備、6階は産科病棟となり、一般病床24床、MFICU 6床を設置。5階と6階で連携して周産期医療の強化を図っている。7階が婦人科、泌尿器、乳腺疾患を対象とした女性専用病棟(39床)、8階が内科系全室個室病棟(36床)となる。病床は合計150床となり、すべてのベッドが窓に面している。
 田中二郎院長は「北棟建設は準備段階から数えると、足掛け8年の歳月を要した。この間、関係各方面のご協力を得て、今日の日を迎えた。これからも“ペイシェント・ファースト”を実践し、まごころ医療を地域の方々にお届けしたい」と抱負を語った。
 最後に同病院の今後の展開について少し触れる。これまで病床1000床を超える巨大病院として、施設整備は、地域や時代のニーズに応えるために、救命救急センター開設や高度治療施設の増設などを行い、全体施設の中からパーツを取り替える形で時代に即応してきた。今後は、中央棟に緩和ケア病棟を設置、救命救急センターやリハビリセンターを拡充するほか、将来的には築後60年近くになる本館の建て替えも検討課題としている。
【飯塚病院】▽開設=1918(大正7)年、▽開設者=(株)麻生、▽所在地=福岡県飯塚市芳雄町3-83、Tel.0948-22-3800、▽院長=田中二郎氏(鹿児島大学卒)、▽診療体制=診療科目34科、病床数1116床(一般978床、精神138床)、▽年間外来患者数=49万7215人(11年実績)、▽年間入院患者数=32万591人(同)、▽施設規模=敷地面積4万7630m²、既存建物延べ床面積5万8686m²
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