商業施設新聞
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No.400

安全が第一


嚴 在漢

2013/2/26

工事中の「第2ロッテワールド」(ソウル市松坡区蚕室)
工事中の「第2ロッテワールド」
(ソウル市松坡区蚕室)
 韓国最大級の商業ビルとなる「第2ロッテワールド」の建設現場で非常事態が起きている。123階建てを予定している巨大ビルのメガ柱(主柱)の11カ所に亀裂が見つかったのだ。

 メガ柱はこのビルの荷重を支える太さであることから、一般柱の10倍強大きい最も重要な構造物である。第2ロッテワールドは、韓国の歴史上、最も高い建築物として内外から多くの関心を集めているだけに、安全に対する疑惑解明に徹底的に臨むべきだ。

 2月8日、日本では前日に北陸で春一番が吹いたと伝えられる一方で、韓国ソウルは氷点下17℃を記録する厳冬のなか、ソウル市松坡区蚕室に位置する第2ロッテワールドの建設現場では建設重機が慌しく動いていた。
 2011年6月から建設が開始されたこのビルは、現状でエレベーターが上下する中心部の場合、33階まで鉄骨が組み立てられている。地上123階(高さ555m)を支える最重要構造物である8本のメガ柱は、17階まで工事が進んでいる。

 施工会社のロッテ建設は、着工から3日間で1階ずつ組み上げる「3日循環工程法」など、独自の最新式工法を採用し、来る15年10月をめどに完成させる計画だ。

 しかし、このビルの5、8、9階のメガ柱11カ所に肉眼で確認できるほどの亀裂が発生し、安全性の問題が浮き彫りなっているのである。

ロッテワールドの周辺は交通の要衝でもある
ロッテワールドの周辺は交通の要衝でもある
 ソウル市は、第2ロッテワールドの工事現場に担当の公務員と構造安全診断の専門家らを派遣し、緊急の安全点検に着手した。「建築物構造安全診断委員会が現場を点検し、その結果に基づいて安全上の可否を判断する」「問題点が判明されれば、直ちに工事を中止させる」(ソウル市関係者)という。

 管轄省庁の韓国国土海洋部は、2月末に予定されている全国主要建設現場に対する安全点検対象リストに、第2ロッテワールドを含めるとしている。同部は、毎年2月の雪解けシーズンには全国建設現場の一部について、特別な安全点検を実施している。

 総工費約3兆ウォン(約2608億円)が投入される第2ロッテワールドは、単純にロッテグループの商業施設だけではなく、韓国における超高層ビルの歴史を塗り替える存在としても注目されている。

 工期に間に合わせなければならない建設会社側の負担も大きかろうが、安全が担保できないとさらなる負担になりかねない。完成後の1日平均の予想訪問者数は27万人にも達することから、なおさらだ。
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