神奈川県綾瀬市は、深谷落合地区と吉岡西部地区の2カ所で工場用地の整備を計画している。深谷落合地区では、2013年度に準備組合を設立して本同意を形成、16年度の工事開始を予定している。吉岡西部地区では、14年度中の企業誘致に向けて権利者の同意形成の醸成を図る。
綾瀬市では、市内を走る東名高速道路においてスマートインターチェンジの「(仮称)綾瀬インターチェンジ」の建設が計画されている。このインターチェンジは、フルインターに近いスマートインターとなり、トレーラーも利用可能。13年度から事業を開始し、17年度までの供用開始を予定している。このほか一般道の整備などが計画されており、数年で市内の交通ネットワークが整備される。これを受けて、市長特命でプロジェクトチームを結成。深谷落合地区と吉岡西部地区の2カ所の特定保留区域で工業用地の整備を計画している。また、企業誘致に向けて、12年度から16年度までの5年間に限り奨励金や固定資産税の減税などの施策を実施する。
深谷落合地区は、綾瀬市南部に位置し、工業系の土地利用の誘導を行う地区として位置づけている。県道42号藤沢座間厚木線の沿線に展開。綾瀬インターチェンジから約2.5km、圏央道海老名インターチェンジから約5kmに位置する。全体面積は約50.2万m²で、工業系土地利用ゾーン、沿道系土地利用ゾーン、環境保全ゾーンに区分して整備。沿道部では、日用品の販売など沿道サービスができるようにする。工業用地には最大で約9万m²のロット形成を計画している。3万m²を超える立地には環境アセスメントを行う必要があるが、特区にすることでそれを免除することも検討している。13年度には準備組合を立ち上げて本同意を形成。14年度で法定手続きを開始し、区画整理組合を設立。15年度に仮換地を指定し、移転交渉を開始。16年度の工事開始を予定している。
吉岡西部地区は、市南西部に位置し工業系の土地利用の誘導を行う地区として位置づけている。県道405号線を挟んで海老名市と隣接する位置に所在。綾瀬インターチェンジから約3km、圏央道海老名インターチェンジから約3kmに位置している。全体面積は約32万m²で、地区内にはキヤノンの綾瀬事業所、東京電力の中相模変電所、ハマキョウレックスの綾瀬物流センター、北越パッケージなどが立地している。この地区では、約3万m²の用地が2カ所と約4万m²の用地が農地として存在している。区画整理ではなく、空いている用地を土地利権者と調整して立地を希望する企業をはめ込んでいく形を想定している。
このほか、綾瀬インターチェンジの整備予定地には多くの工場が立地しており、こちらも準備組合を立ち上げて移転候補地を用意していく計画である。