商業施設新聞
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No.386

コラボ


松本 顕介

2012/10/30

 「コラボレーション」「コラボ」。なんと期待を抱かせるフレーズだろうか。三省堂のワードワイズ・ウェブによれば、『立場が異なる人同士の協力、共同作業、連携作業』とある。各々にない部分を補完し、「1+1」が3にも4にもなる。そこから何か新しいものが生まれるのでは、という期待感がある。

ビックカメラとユニクロは大型コラボで話題を集めた
ビックカメラとユニクロは
大型コラボで話題を集めた
 音楽ではフィーチャリング、カバー、トリビュートアルバムなど、エンターテイメント分野から、果ては商業施設新聞が関わる流通小売業や外食業界まで、コラボの例は枚挙にいとまがない。アパレルでは、著名デザイナーやアーティストとのコラボにとどまらず、“アイドル歌手がデザインしたTシャツ”と謳ったりなど、その自由度は高い。


 また、企業間のコラボも多く、同業同士から異業種間と様々で、コンビニとドラッグ、本屋とカフェなどがある。具体的には、モスバーガーとミスタードーナツの「MOSDO」、ローソンとHMV、伊東屋とタリーズコーヒー……。伊東屋は、ユナイテッドアローズともコラボした。そのユナイテッドアローズは、野村不動産が展開する「プラウド」でもコラボしている。

コンビニとCD店のコラボ「HMVローソン」
コンビニとCD店のコラボ「HMVローソン」
 最近、流通小売業界で注目を集めたのは東京・新宿に開業したビックカメラとユニクロの「ビックロ」だ。同店は「素晴らしいゴチャゴチャ感」をコンセプトに、ユニクロとビックカメラの商品が入り混じる売り場となっている。全体の売り場は地下3階~地上8階で、総売り場面積は約6700坪。ユニクロの売り場は1~3階で、売り場面積は1200坪を誇る。
 ユニクロの各フロアには、共同店舗らしくビックカメラのブルーレイ・DVD売り場があり、男性用下着売り場に突然、酒類が展示されている。店内各所に配置された「ビックロマネキン」は、カメラを構えていたり、掃除機をかけていたりと、家電とのコラボ店舗ならではだ。ユニクロにいる販売員は脚立に上り、店内を行き交う人に大声で商品をアピールする様子も、さながら家電量販店のようだ。ユニクロとしても、柳井氏は「他業態との共同店舗を増やしたい」と語っている。

 ちなみに、我が産業タイムズ社では、商業施設新聞のほかに、半導体産業新聞、環境エネルギー産業情報、医療産業情報、工場計画情報という媒体を発行しており、それぞれが独自の取材ルートやネタを持つが、対象の業界がかけ離れていることもあり、なかなかうまくコラボできない。もちろん、何でもコラボすれば良いというものではないが……。
 コラボは一見、目新しさが生まれるが、そこに相乗効果がなければお互いの良さをも消してしまう。前出のワードワイズ・ウェブによれば、コラボレーションには「共同作業の成果」という意味もある。
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