電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第5回

(独)産業技術総合研究所
ナノスピントロニクス研究センター
研究センター長 湯浅新治氏


スピンRAMで超省電力化を実現
DRAM置き換え狙う新材料開発

2012/8/31

―― 研究開発の取り組み状況について。
(独)産業技術総合研究所 ナノスピントロニクス研究センター 研究センター長 湯浅新治氏
 湯浅 産総研では、NEDOのプロジェクトを通じて東芝と密に連携し、MRAMの開発を行っている。昨年から新たな5カ年プロジェクトがスタートしたところだ。
 装置メーカーとしては、キヤノンアネルバと長年にわたって協力関係にあり、同社の大型スパッタリング装置「C―7100」を用いて開発を行っている。この装置は産業対応装置で、我々の成果がスムーズに量産へと展開できる点が大きな特徴だ。

―― 大容量化に向けて。
 湯浅 大容量化には、まずMR比が室温で100%よりも大きい物質が求められる。巨大TMR効果を持つMTJ素子については、我々とキヤノンアネルバで、CoFeB/MgO/CoFeB構造を04年に発表。この構造では、CoFeにBを加えると、成膜直後にCoFeBの強磁性電極がアモルファス状態になり、3回転対称の下部構造の上に4回転対称のMgOを成長させることができ、結晶成長の常識を覆す発見となった。


(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2012年8月29日号2面)

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