電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第1回

STマイクロエレクトロニクス 代表取締役社長兼本社上級副社長 マルコ・カッシス氏


ジャイロでシェア60%獲得
MEMSは車載市場に拡販

2012/7/2

代表取締役社長兼本社上級副社長 マルコ・カッシス氏
代表取締役社長兼本社上級副社長 マルコ・カッシス氏
―まずは、昨年の総括からお願いします。
 カッシス 非常に動きの激しい一年であった。年前半は震災の影響などがあったものの、グローバルレベルでは順調に推移した。一方、年後半は欧州経済の減速などから一転して市況が低迷する展開となり、当社の売り上げにも大きく影響した。結果、11年売り上げは前年比5.9%減の97億3500万米ドルとなった。ただし、ワイヤレス部門(ST-エリクソン)を除く当社100%所有の事業部門売上高は前年比1%増と増収を達成しており、市況が悪いながらも健闘したのではないかと考えている。

―分野別の状況は。
 カッシス 車載向けが最も伸びた。数字からもそれは明らかで、当社のオートモーティブ部門の11年売上高は前年比18%増の16.8億米ドルと高い成長を達成できた。車載分野の拡大もあって、アナログやパワー系の技術を用いた製品が伸びてきており、ここ数年進めてきた構造改革が数字に表れている。現状、アナログを用いた製品の売上高比率は6割近くに達している。

―アナログではMEMS事業も伸長しています。
 カッシス 11年のMEMS売り上げは前年から大きく伸び、約6.5億米ドルを達成することができた。主力の加速度センサーに加え、ジャイロセンサーの事業が本格化したことが大きかった。ジャイロセンサーはここ2年でシェアが急拡大し、11年の市場シェアは約60%を獲得、No.1サプライヤーになることができた。今後は民生市場での実績をベースに、車載市場での拡販に努めていく。

(聞き手・本紙編集部)
(以下、本紙2012年6月20日号1面)

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