商業施設新聞
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第195回

(株)イノベーションリンク 代表取締役社長 大峯伊索氏


品質と価格を両立し急成長
ハンプトンの世界観を反映

2019/9/3

(株)イノベーションリンク 代表取締役社長 大峯伊索氏
 ワールドグループが展開するライフスタイルストア「Dessin(デッサン)」の成長が続いている。2019年3月期の売上高は約60%増を記録し、既存店売り上げもほとんどの月で前年比10%以上伸びた。その特徴は米国・東海岸のリゾート地であるハンプトンの世界観を切り口に、高品質ながらミドルプライスを実現したこと。事業会社である(株)イノベーションリンク代表取締役社長の大峯伊索氏に話を聞いた。

―― ブランド立ち上げの経緯から。
 大峯 13年ごろ、マーケットや消費動向を見て将来のファッション業界がどうなっていくのか考えていた。当時、地方百貨店は苦戦しつつも専門店化により再生が期待できる施設もあり、新しいSCは堅調な施設もあった。駅ビルは好調ながら施設数に限りがある。こうした状況を踏まえ、特定の立地に出店するのでなく、幅広い立地で出店できるブランドがあればいいと考えた。一方でオーバーストアの時代であり、「これでいい」ではなく「これがいい」と言っていただける圧倒的な価値があるブランドが必要だと感じた。
 新ブランドをつくるにあたって世界観を考えていたとき、目をつけたのが米国・東海岸にあるハンプトン。別荘などが多いリゾート地で、優雅でゆとりのある街だ。その街をイメージしたキレイめで、カジュアルなファッションを提案しようと、THE HAMPTONS STYLEをテーマにブランドを開発した。

―― ブランドの特徴は。
好調が続くDessin
好調が続くDessin
 大峯 百貨店でも通用する本格的でキレイめのデザインと、買いやすい価格を両立させたことが大きな特徴。マーケットには同様のポジションニングをするブランドがほとんどない。というのも良い素材、良いデザインの本格的な商品を買いやすい価格で作るのは難しい。しかしワールドグループなら調達力、企画力を活かし、買いやすい価格としながらも、ベーシックなジャケットなどでもステッチ、ボタンなど一つひとつ細かい個所まで作り込める。この圧倒的な価値と価格のバランスが最大の差別化になっている。これらの自社企画商品や自社工場で製造した商品が7割ほどを占め、売り場の主力となっている。

―― ターゲットは。
 大峯 中心となるのは30~40代のニューファミリーで、都市型の高感度なライフスタイルを志向しながらも、経済的な消費を求める層。レディスが中心ながらメンズも揃え、ファミリーをターゲットとしているのでキッズも売ることで、ハンプトンの幸せな暮らしを演出している。ライフグッズも展開しており、商品は幅広い。

―― 店舗の世界観が強いです。
 大峯 ブランド立ち上げ時から世界観を強く意識している。「ここで買い物したい」と思っていただくためには重要な要素。ハンプトンの建物は白枠で落ち着いた建物が多く、これをイメージして白とブルーの統一感のある店舗にしている。また、店作りには地域性を大事にしている。感度の高い方は旅好きな方が多いので、シーズンごとにコペンハーゲン、モロッコなど雰囲気の良いエリアを設定し、店内にアートなどを設けている。
 商品のデザインとしてはイギリスの影響を受けたものが目立つ。また華美にデザインされておらず、ベーシックなものが多い。フーデッドのパーカーなども多く、リゾート感の演出に一役買っているだろう。

―― 実際の動向は。
 大峯 メーンの顧客は30~40代ながら、50代の方も目立つ。客単価は9500円程度で、売り上げは非常に好調。既存店は1年ほど前年同月比で伸び続けており、ほとんどが10%以上伸びている。販売スタッフは百貨店経験者が多いこともあって接客力が高く、購入決定率が高いのも特徴だ。

―― 店舗が順調に拡大しているようですね。
 大峯 19年3月期は8店出店した。60坪を基本に展開しており、SC、百貨店、駅ビルなど様々な立地に出店している。エリアも銀座から地方都市まで幅広い。7月には神戸ハーバーランドumieに出店し、秋以降も出店が決まっている。ワールドグループでこれだけ幅広い立地で出店しているのは珍しいだろう。

―― 今後の展開は。
 大峯 デベロッパーや商業施設運営者から、「高品質なキレイめのデザイン」「買いやすい価格」という我々ならではの特徴を評価していただく声が多く、店舗を拡大していきたい。中でも百貨店に出店すると施設内の他店とクオリティは同じながら買いやすい価格であり、「高品質」「ミドルプライス」という我々の特徴が活きるようだ。実際、今年3月に西武高槻店にオープンした店舗は素晴らしい滑り出しだ。
 今後はサービスレベルを上げるなどして、1店あたりの売り上げも増やしていきたい。19年3月期はEC除いて約17億円を売り上げ、前年度比で60.6%伸びた。順調に成長しており、中長期的には100億円を目指し、ワールドの屋台骨の一つにしたい。

(聞き手・副編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2306号(2019年8月6日)(5面)
 商業施設の元気テナント No.228

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