商業施設新聞
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第178回

(株)サンケイビル 取締役常務執行役員 遠藤健氏


グランビスタ社買収で事業拡大
インターゲートホテルズ10棟体制へ

2019/5/7

(株)サンケイビル 取締役常務執行役員 遠藤健氏
 2015年に札幌グランドホテル、札幌パークホテルなどを運営する(株)グランビスタ ホテル&リゾートを買収し、ホテル事業に本格参入したのが(株)サンケイビル(東京都千代田区大手町1-7-2、Tel.03-5542-1300)である。同社では、独自ブランドであるインターゲートホテルズを積極展開するとともに、外資系のマリオットホテルと共同でのホテル開発にも乗り出している。今後のホテル事業の展開について取締役常務執行役員の遠藤健氏に伺った。

―― ホテル事業本格進出のきっかけは。
 遠藤 15年4月にホテル事業を行う(株)グランビスタホテル&リゾートを買収できたのが本格進出の契機となった。グランビスタ社は、日本のシティホテルの草分けである札幌グランドホテルや札幌パークホテル、海洋レジャー施設で人気の鴨川シーワールドなどを運営しており、さらなる成長が見込めると判断した。これにより当社はデベロッパーであるとともにホテルオペレーターになったことで、事業領域は大きく拡大し、現在では、約40棟、6000室を展開するまでになった。

―― 独自ブランドのインターゲートホテルズは。
 遠藤 他のホテルとの差別化、付加価値の提供を行うため、インターゲートホテルズを開発し、積極展開を進めている。ブランドコンセプトは、「All For Tomorrow」~「最高の朝」をお届けするホテル~。宿泊するお客様がその地域の魅力を発見したり、体感でき、旅先で充足した時間や快活な自分を取り戻せるコトを重視したゆったりくつろげるホテルを目標に掲げている。新ブランドコンセプトに基づき、18年3月に京都市中京区に客室数153室の「ホテルインターゲート京都 四条新町」、同年4月1日には東京都中央区京橋に客室数200室の「ホテルインターゲート東京 京橋」、19年1月には広島市中区に客室数233室の「ホテルインターゲート広島」、同年3月には石川県金沢市に客室数166室の「ホテルインターゲート金沢」を開業した。

―― 今後の開発状況は。
 遠藤 5件目の開発案件としてJR大阪駅至近で、地下鉄西梅田駅から徒歩3分の好立地に客室数389室の「ホテルインターゲート大阪 梅田」を開発する。長い間、オフィスビルとして活用していた新サンケイビルと隣接のサンケイビル別館を解体し、ホテル、オフィス、店舗からなる複合ビルに建て替えるもので、21年春の開業を予定している。同ホテルはインターゲートホテルズの第1ステージの集大成となる旗艦ホテルとする計画であり、今後の設備仕様・デザインのベースと考えている。今後の開発計画では仙台市など日本の主要都市を中心に10棟体制を目指す方針だ。

―― 外資系ホテルの展開も。
旗艦ホテルとなる「ホテルインターゲート大阪梅田」
旗艦ホテルとなる
「ホテルインターゲート大阪梅田」
 遠藤 東京・銀座にマリオット・インターナショナルと共同で「アロフト東京銀座」の開発に着手した。当社が開発を担当し、マリオットが206室のホテルの運営を行う初のパートナーシッププロジェクトとなるものだ。アロフトブランドは、次世代型セレクトサービスホテルであり、同物件が日本初出店となる。
 当社でグランビスタ社のノウハウを活用した事業がないかと模索していたもので、グランビスタ社がコンサルタントとして参加しているため、マリオット社からの様々な要求にも対応することができる。銀座エリアでは銀座グランドホテルとホテルインターゲート東京 京橋を運営しているが、マリオットブランドのホテルが加わることにより、銀座エリアにおいて欧米系を含めたあらゆる顧客層を集約できる拠点となることを期待している。

―― ホテルオペレーターともタイアップします。
 遠藤 当社がビルを開発して、共立メンテナンス、ホスピタリティオペレーションズ、カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント、リソルホールディングスなど有力オペレーターに運営を委託する賃貸事業も活発であり、4月25日には「ホテル横浜桜木町」(横浜市、134室)を開業する予定であり、他社からの引き合いもあり、今後も積極展開するつもりだ。
 このほか、一般ホテルとは別に15年4月に外国人観光客向けのゲストハウス型ホテルである「グリッズ秋葉原」をオープンした。当社ではこの形式で秋葉原を含め、「日本橋イースト」(115室)、「札幌」(89室)、「東京浅草橋」(32室)、「京都四条河原町」(46室)の5施設を展開しており、19年度中には上野界隈に6棟目を開業する方針である。この事業は、ホテル事業のレパートリーを広げる意味では必要なものであり、今後は現行のベッドスペースであるPODに加えてニーズの強い多人数部屋タイプを多くするなど、いかに収益を上げるかが課題となる。

―― ホテルの稼働状況と今後のホテル業界について。
 遠藤 全体的に好調だが、中でも18年4月に開業したホテルインターゲート東京 京橋は、ビジネス客と観光客が融合したことで想定以上に推移しており、東京エリアの強さを実感する。ホテル市場は今後、注視する必要がある。オリンピックイヤー直後に一時的な落ち込みがあるかもしれないが、日本の経済政策はオリンピック後を視野に入れているので、それほど心配はしていない。

―― 今後のホテル事業の展開は。
 遠藤 インターゲートホテルズは、日本全国の主要都市に10棟を目標とし、他のホテルオペレーターと共同でホテル開発も積極的に行う。グランビスタ社発祥の地である北海道に根差したビジネスも計画しており、札幌パークホテルの建て替えに伴い、新MICE施設を建設する。また、老舗の札幌グランドホテルの再開発も実施し、従来よりもワンランク上のホテル開発を推進する考えだ。

(聞き手・副編集長 永松茂和)
※商業施設新聞2289号(2019年4月2日)(7面)
 インバウンド4000万人時代 ホテル最前線 キーパーソンに聞く No.36

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