商業施設新聞
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第169回

(株)東急モールズデベロップメント 代表取締役社長 秋山浄司氏


二子玉川など好調施設目立つ
改装後の客数前年比141%も

2019/2/26

(株)東急モールズデベロップメント 代表取締役社長 秋山浄司氏
 (株)東急モールズデベロップメントは、東急電鉄沿線を中心に23施設の商業施設を運営する。「二子玉川ライズ・ショッピングセンター(以下、二子玉川ライズSC)」など、多くの施設は地域の中心として存在感を放ち、逐次改装することで売り上げや客数の増加も目立つ。代表取締役社長の秋山浄司氏に主な施設の動向を聞いた。

―― 昨秋、二子玉川ライズSCを改装しました。
 秋山 二子玉川駅側のタウンフロント1階を中心に改装した。目玉の一つがコスメのセレクトショップ「フルーツギャザリング」だ。入館してすぐの5区画を統合する形で出店し、非常に賑わっている。同店のある1階では、もともとコスメ店が好調であり、これをさらに強化するため誘致した。店内には30以上のブランドが揃うほか、150種類以上のリップが並ぶ「リップスタンド」やスキンケアのコンサルティングなどを導入し、人気を博している。
 その隣接区画にはハンドメイドの雑貨などを販売する「暮らしとクリーマ」を誘致し、こちらも好調だ。加えて、奥のエリアも新店誘致や改装を実施して、1階の回遊性が向上した。2~3階でも都会のセンスを一層強化するために改装し、活性化できた。
 リニューアル後、昨年10~11月の累計実績として売上高は前年比108.4%、来館客数が141.5%と大幅に伸びた。2017年度の累計実績は売上高412.7億円、来館者数3168万人と過去最高だったが、さらなる成長を期待できる。

―― 同施設は11年春の開業以来好調です。
 秋山 5km圏内に110万人がおり、裕福な方も多いなど恵まれた商圏に位置する。だがポイントとなっているのは施設コンセプトだろう。二子玉川には古くから高島屋があり、富裕層に支持されているが、我々は上質なファミリー層中心の施設として運営している。これにより売り上げの奪い合いが起きず、街の賑わいが純増した。実際、二子玉川ライズSCが開業後、二子玉川駅の乗降者数は6万人増加した。

―― 15年春の2期開業で賑わいが増しました。
 秋山 例えば、いまでも「蔦屋家電」は好調で、多くの方が過ごす場所として訪れる。「109シネマズ」は平日でも満席になることがある。2期はコト消費系のテナントが多いが、従前から施設内の広場「ガレリア」などを活用し、コンサートをはじめとした様々なイベントを毎日のように開催している。この一連のコトによる集客が、施設全体のモノの売り上げにつながっている。

―― 近隣では「たまプラーザ テラス」を展開しています。
 秋山 たまプラーザ テラスの17年度売上高は250億円となり、過去最高を更新した。周辺は二子玉川同様に裕福な方が多いが、たまプラーザ テラスの特徴は何といっても地域の中心であること。たまプラーザ駅では古くから東急電鉄グループが商業施設を展開しており、これらはもはや地域の人にとって「自分たちの店」。そこに、SCの中に駅がある一体型施設ができたことで、頻繁に足を運んでいただけている。
 こちらの施設もイベントに力を入れており、テナントが開催したものを含めると17年は807回実施した。施設を訪れればいつでも何か実施している。

―― 807回はかなりの数ですね。
 秋山 我々東急電鉄グループは「日本一住みたい沿線」を目指しており、そのためには住みたくなるようなエリアが求められる。沿線の方は毎日のように来館されるため、訪れるたびに楽しんでいただける施設にしなければならない。加えて意識しているのは我々の施設だけでなく、エリア全体が賑わう“街づくり”。グループの根幹には街づくりがあり、どの施設でも強く意識している。

―― 街全体の賑わいではみなとみらいも注目です。
 秋山 みなとみらいは、海が眼前に広がるなど非日常のアーバンリゾートといえる場所。ここで当社は駅直結の「みなとみらい東急スクエア」を展開している。17年10月に「クイーンズスクエア横浜[アット!]」と「クイーンズイースト」を統合して誕生した施設で、統合の際に改装も実施し、キッズゾーンや書店などを導入した。20~30代のファミリーが主な来館層だが、4階にキッズゾーンを導入したことで、お孫さんのために買い物するシニアの方が増えた。開業1年間の売上高は、前身施設の前年比で104.3%と伸ばすことができた。

―― 20年に近隣の横浜駅に駅ビルが開業します。
 秋山 エリアとしては競合になるが、みなとみらいの強みは何といってもリゾートのような環境でのんびりと過ごせること。二子玉川やたまプラーザでも同じことがいえるのだが、我々の施設が持つ過ごしやすい環境は大きな価値だ。
 みなとみらいは今後、ホテル、クルーズ船ターミナル、大手企業のオフィスなど様々な開発が進んでいく。ポテンシャルはすごい。我々は駅から直結する施設だからこそ、この賑わいが館をさらに活気づけるはずだ。

(聞き手・副編集長 高橋直也)
※商業施設新聞2280号(2019年1月29日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.289

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