商業施設新聞
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第154回

新港ふ頭客船ターミナル(株) 代表取締役社長 岡田伸浩氏


MMでハンマーヘッドPJ推進
新港エリアの賑わいづくりも提案

2018/11/6

新港ふ頭客船ターミナル(株) 代表取締役社長 岡田伸浩氏
 横浜市のみなとみらい21新港地区で、「ヨコハマ ハンマーヘッド プロジェクト」(旧称=新港地区客船ターミナル等整備事業)が、2019年開業を目指して着工した。客船ターミナル(CIQ)施設や、食を中心とした店舗、高級ホテルからなる複合施設となる。事業を担う新港ふ頭客船ターミナル(株)(代表企業=(株)横浜岡田屋)の代表を務める岡田伸浩氏に聞いた。

―― 事業の概要から。
 岡田 横浜市が新港ふ頭の未使用部分を延伸して大型船が着岸できる桟橋にする。同時にふ頭は国有地なので、市の別の土地と交換して、市有地とした。無用途なので、レストランなど商業の導入が可能だ。まず新港地区の活性化のため、(株)横浜岡田屋、(株)小此木、藤木企業(株)、川本工業(株)の4社が(株)YNP(ヨコハマニューポート)を設立した。これに(株)T・Yホールディングス、(株)横浜グランドインターコンチネンタルホテル、野村不動産(株)、京浜港ワッチマン業協同組合が参画し、新港ふ頭客船ターミナル(株)を立ち上げた。「モアーズ」で商業施設運営の経験があることから、横浜岡田屋が代表企業を務める。

―― 施設概要は。
ヨコハマ・ハンマーヘッドプロジェクトの完成イメージ
ヨコハマ・ハンマーヘッドプロジェクトの
完成イメージ
 岡田 敷地1万7400m²に5階建て延べ3万290m²とする。1階にCIQ施設のほか、ハンマーヘッドパークやプロムナードを整備し、回遊できる仕組みとする。1914年に新港ふ頭の先端に設置された横浜港第1号のクレーン「ハンマーヘッドクレーン」が現存しているので、赤レンガ倉庫とともにシンボルにしたい。

―― 商業施設については。
 岡田 「ハンマーヘッドフード&テラス」として、飲食を中心に一部雑貨などの物販で、20店程度になる。1階はコンビニやファーストフード、コーヒーチェーンに加え、ラーメン、フードコートが出店する。またクラフトビールレストランが1、2階にメゾネットで入居する。2階は海に面してテラスが設けられ、ピッツェリア、ワインバー、ハンバーグレストランがオープンする。ほかに地元横浜のチョコレートショップなどが出店し、ワークショップなどを開催する。

―― ホテルは。
 岡田 横浜グランドインターコンチネンタルホテルが運営する。1階がエントランス、2階はロビーやホテルが運営するレストラン、客室は3~5階で、客室は45m²以上とし、インターコンチネンタルよりも上のラグジュアリーカテゴリーとなる。ここでもチェックインできるが、インターコンチネンタルでチェックインしたお客様を船でお連れすることも計画する。

―― 客船について。
 岡田 カリブ海に本社がある世界最大のクルーズ船会社、カーニバルクルーズ社が優先使用権を持ち、年間80隻以上来航するほか、様々な客船がスポットで来る。

―― ターゲットは乗船客でしょうか。
 岡田 クルーズ船は基本的に朝着岸し、夜出港していく。乗客は横浜で降りると日本を観光して飛行機で帰る。一方で、新たに横浜からの乗船客も同数おり、前泊などが見込めるため、ここに注目する。
 乗客は年間40万人と予想するが、横浜駅の乗降客数1日230万人から比べると弱い。周辺には年間650万人が訪れる赤レンガ倉庫がある。従って、ターゲットは乗船客のほか、近くを訪れる観光客、また周辺住民や周辺ワーカーだ。豪華客船が停泊し、横浜港らしい場所で時間を過ごしていただくことを提供したい。さらに反対側の岸壁や浮き桟橋は、観光船や横浜駅からのシャトル船などが停まる「ヨコハマウミエキ」というテーマも盛り込む。
 このプロジェクトだけでは意味がない。エリアの賑わいをつくる必要がある。そのためにYNPをつくった。

―― 具体的には。
 岡田 横浜市が都心臨海部の賑わいをつくるアイデアを募集し、YNPは様々な提案をした。大岡川などの周辺の河川を回遊する“船の山手線”や、羽田まで延びるウォータータクシー、最長なものは横浜駅から山下公園まで架かるロープウエイ、新港ふ頭から日枝神社に通ずる一本道に(仮称)新参道を整備し、船が着いたらすべての街灯に黄色の旗を飾る―などである。

―― 実現の可能性は。
 岡田 桜木町駅から観覧車近くまでの短いロープウエイがプランとして先行している。駅を降りると新港があり、赤レンガ倉庫などを周遊する観光的な要素であり、導線になる。また連結バスの運行が決まり、現在はルートの詰めを行っている。
 なお、新港と臨港パークをつなぐ橋を架け、水際線プロムナードにする計画も進んでいる。臨港パークから橋を渡り、カップヌードルミュージアム、赤レンガパークまでの導線が創出される。

―― これらもYNPが事業を推進していくのでしょうか。
 岡田 新港ふ頭には投資したが、すべてに投資するわけではない。開発の推進役になればと思う。
 一番のポイントとして、横浜市が作った最大のチャンスを地元の手でつくり上げることに非常に価値がある。大型豪華客船が目の前に着岸する。それを見に横浜を訪れる動機になる。
 さらに桟橋の反対側にメガヨットの停泊も構想する。先日、実験でロシアのメガヨットが停泊した。その経済波及効果は小さくない。メガヨットのオーナーは停められる場所を探しているが、日本は場所が少ないし、許可に時間がかかる。すぐに受け入れられる体制をつくれば多くの来航が見込める。ラグジュアリーマーケットも掘り起こしたい。

(聞き手・編集長 松本顕介/若山智令記者)
※商業施設新聞2264号(2018年10月2日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.276

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