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第11回

キングスカイフロント、A地区1次開発のまちびらき実施、21年度の地区全体完成目指す


2018/6/26

まちびらきセレモニーでのテープカットのもよう
まちびらきセレモニーでのテープカットのもよう
 大和ハウス工業(株)(大阪市北区梅田3-3-5、Tel.06-6346-2111)が、川崎市と連携して川崎市川崎区殿町で開発を進めていたキングスカイフロント「A地区(1次開発)」が完成し、5月30日にまちびらきを実施した。

 キングスカイフロントは、羽田空港の南西、多摩川の南西に位置する川崎市殿町地区の約40万m²におよぶ開発エリアで、川崎市やUR都市機構などがいすゞ自動車の工場跡地などを取得し開発を進めている。最先端のライフサイエンス産業・研究機関が集積する国際戦略拠点として整備が進み、4月1日現在、62機関の進出が決定し、研究機関との連携により新たなイノベーションが生まれている。

 大和ハウス工業は、2014年6月にキングスカイフロントA地区の4.6万m²の土地を取得し、最先端のライフサイエンス産業・研究機関が集積する国際戦略拠点としてのまちづくりを行うため、「賑わい・交流機能」を創出することをテーマに開発に着手した。世界初となる使用済みプラスチック由来低炭素水素を活用したホテル「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」と、医薬品や医療機器、再生医療などのライフサイエンス関連企業の研究拠点となる研究棟5棟からなる地区で、今回は1次開発として、ホテルと研究棟2棟のまちびらきを行った。

 A地区1次開発で設備された研究棟はリサーチ・ゲート・ビルディング・トノマチ・ワン(RGB I)およびリサーチ・ゲート・ビルディング・トノマチ・ツー(RGB II)とメドトロニック イノベーション センター ジャパンのツインタワー構造の施設。

RGB I
RGB I
 RGB Iは、2月末竣工、3月1日から稼働を開始している。研究所と小売店からなる敷地面積2614.47m²、S造り4階建て延べ床面積2842.99m²の施設で、1階にはセブン-イレブン・ジャパンのコンビニエンスストアが入居し、2~4階は国内外のライフサイエンス分野関連企業の入居を見込んでいる。

RGB II
RGB II
 RGB IIと日本メドトロニック(株)の研究施設のツインタワー構造の施設は、17年6月30日に竣工、同年7月1日から稼働を開始している。敷地面積6854.65m²、S造り4階建て延べ床面積1万769.86m²の施設で、川崎市や慶應義塾大学、東京工業大学、大日本住友製薬(株)、日本メドトロニックが入居し、神奈川県立保健福祉大学が入居予定。産学官が連携し、最先端のバイオメディカル研究開発や人材育成、IT創薬の研究などを行う。

 地区内では、道路と施設および施設と施設の間にフェンスを一切設置しないことで、人を呼び込み、賑わいの街並みを形成し、だれでも敷地に入ることができ、他企業とも交流しやすい開放的な地区とした。

 また、同地区の敷地に隣接した2つの既存の公園を緑で南北につなぐプロムナードをつくり、各研究棟の1階にはプロムナードに面したコミュニティスペースやショールームを設置し、研究者や学者、地域住民などが集いやすく交流しやすいまちづくりを進めていく。

 20年度には、同エリアと東京国際空港を結ぶ羽田連絡道路が開通予定。今後2次開発において、敷地面積2万6448.28m²、延べ床面積約4万m²からなる3棟の研究棟を建設し、国内外の医療・化学分野関連企業を融資し、21年度にA地区全体の完成を目指す。

 まちびらきセレモニーでは、川崎市の福代紀彦市長が「キングスカイフロントを世界最先端のエリアにしていくのに協力していただきたい」と挨拶。神奈川県の黒岩祐治知事は「知事になって最初に取り組んだのが、ここを特区にすることだ。神奈川県はヘルスイノベーションスクールをこのA地区につくる」と語った。
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