商業施設新聞
新聞・情報紙誌のご案内出版物のご案内広告掲載のご案内セミナー/イベントのご案内
第113回

東神開発(株) 流山おおたかの森S・C 営業本部 流山 事業部長 長塚裕司氏


地域に愛され来館1000万人超
次の10年へ駅高架下開発など

2018/1/23

東神開発(株) 流山おおたかの森S・C 営業本部 流山 事業部長 長塚裕司氏
 高島屋グループの東神開発(株)が開発・運営する「流山おおたかの森S・C」(千葉県流山市)は、つくばエクスプレス線(TX)流山おおたかの森駅に隣接し、2007年3月に開業した。地域のニーズを取り入れた館づくりや街づくりが支持されてきた。節目の10年を過ぎ、次の10年の取り組みを、同社流山おおたかの森S・C 営業本部 流山事業部長 長塚裕司氏に聞いた。

―― 流山の動向は。
 長塚 マンションが続々開発され、若い世代を中心に流入が続いている。流山市のキャッチコピー「母になるなら流山」のとおり、保育所の整備が行き届き、子育てがしやすい環境にある。人口は18万人、昨年の転入超過数は3500人で千葉県1位、全国で8位。今後10年間は人口増加が進むといわれている。

―― 売上高や来館者数は。
 長塚 16年度売上高は242億円で、開業初年度の07年度比33%増加した。改装による一部テナントの閉店で、前年比横ばいだった。17年度は改装効果で250億円を見込む。来館者数は07年度826万人に対し、16年度が1063万人に達した。自分たちの商業施設という認識を持たれ、購買意欲も高い。徒歩や自転車による来館も多い。

―― 周辺に商業施設も増えています。
 長塚 一番の競合は隣駅の柏の葉キャンパス駅前に立地するららぽーとで、今年はTサイトが開業し、新しいライフスタイルを提案している。また流山おおたかの森駅南側に7月、ヤオコーが開店し、消費者に対し食への選択肢が広がった。しかし当SCの食の核店舗であるタカシマヤフードメゾンと食品館イトーヨーカドーの売り上げは前年をクリアしており、食については地域のニーズを取り込んでいる自負がある。

―― 開業10周年を機に大型改装しました。
開業から10年が経った「流山おおたかの森S・C」
開業から10年が経った「流山おおたかの森S・C」
 長塚 本館1階北側エリアに、グロサリーなどの食物販や生活雑貨などを導入し、タカシマヤフードメゾンと食品館イトーヨーカドーとの連動性を高めた。また、カフェ店舗のテラス席を活用し、駅前広場に向けた賑わい感を出した。さらには従前あった仕切りを取り払い「ウォールレスゾーン」という、見通しのよい空間を設けた。生活雑貨、コスメ、食物販などの小型店を集積したゾーンとし回遊性を高めた。この一連の改装で本館1階の店舗数は14店増えた。併せてレストランゾーンも新店の導入や既存店の改装を行った。
 そして、グループ会社が開発したセルフ型のコスメショップの新業態「タカシマヤ コスメティックス ミリオン ドアーズ」を10月25日にオープンした。
 また子供関連の店舗などを本館3階へ集積し、遊び場、託児室、ベビー休憩室を整備し、子育て世代に向けたゾーンとして新設。「食と生活雑貨を中心としたライフスタイル提案」と「子供関連のモノ・コトの集約による子育て世代の利便性の向上」が今回の改装の柱である。

―― 改装の狙いは。
 長塚 10年が経過し、客数が増えると共にお客様が固定化してきた。それと相まって生活をサポートするSCへの期待値も上がった。その期待に応えるように今回ライフスタイル型MDの強化と子供関連のMDを強化した。この10年の中で、少しずつMDを変えてきたことだけでなく、イベントなど集客面での取り組みが、売り上げ3割増、客数1000万人超えの結果に結実した。

―― 玉川高島屋S・C(東京都世田谷区)は面開発で広げています。
 長塚 当SCでも、13年に駅西側に医療施設などが入居する「ハナミズキテラス」、14年に家電専門店やスポーツ用品ウェアの専門店が入居するアネックスが開業。また15年には本館の前に学習塾や学童保育、金融店舗で構成する「こもれびテラス」を開設するなど、本館以外での街づくりに取り組んでいる。
 そして流山おおたかの森駅高架下開発を首都圏新都市鉄道と共同で18年秋オープンを目指して行う。開発面積3000m²をどう使うか、当社にとっても大型開発となる。駅利用者や近隣住民にとって利便性を向上させる施設にしたい。

―― ESへの取り組みは。
 長塚 テナント従業員の働きがいや働きやすさを追求する。また今年の大晦日の閉店時間を従来の21時から一律19時に変更する。

―― 11年目以降は。
 長塚 地域の方に喜んでいただき、ご満足いただくためには面開発の中で新しい商業施設をつくっていく必要がある。その例がTX高架下開発だ。10年経てば街の成熟度合も変わる。そのために常に、ニーズを取り込んでいくことが不可欠で、当SCでは毎年2000人規模の顧客面接を実施している。それにより買い回りや生活スタイル、来館方法に至るまで見えてくる。現在お住まいの方も年齢を重ねていく。この方々のニーズに応えながら人口流入による新しいお客様のニーズにも応えていく。そのバランスをどう取るか。それがこの10年の課題だ。

(聞き手・編集長 松本顕介)
※商業施設新聞2224号(2017年12月19日)(1面)
 デベロッパーに聞く 次世代の商業・街づくり No.245

サイト内検索