商業施設新聞
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No.632

美女との遭遇


笹倉 聖一

2017/11/21

 秋が深まり、美女と遭遇する機会が増えている。タレントの柴田理恵さん、女優の白石美帆さんとは「茨城マルシェ」(東京・銀座)のイベントで、また女優の秋本奈緒美さんとは「イオンモール松本」(長野県松本市)の開業式典で遭遇した。楽しいひと時であった。

 柴田さんと白石さんは、9月末まで放映されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』のクランクアップ(撮影終了)記念と、舞台になった茨城県北部のフェア(茨城マルシェにて、10月20日で終了)のキックオフイベントに、ゲストとして登場した。白石さん(茨城県常陸大宮市出身、いばらき大使)は、『ひよっこ』で東京・赤坂のバーの店主を演じた。撮影で印象に残った点について「ヒロインの谷田部みね子役の有村架純さんに“茨城の方言教えて”と頼む場面が印象深かった」と振り返った。「有村さんからは、(茨城弁のネイティブスピーカーである)白石さんの前で茨城弁を話すのが忍びない」と言われ、白石さん自身も「(茨城弁を)東京人として話すのが難しかった」と語る。『ひよっこ』の力で茨城弁は市民権を得て、かわいいと言われたことも強調した。「方言は、今でこそご当地言葉として受け入れられているが、20年前にデビューした頃は、地方のなまりは隠さなければいけない風潮があった。なまってはいけなかった。今は、茨城弁を話してもいいんだと思うと幸せ」と方言談を披露した。

白石美帆さん(右)と柴田理恵さん
白石美帆さん(右)と柴田理恵さん
 また、柴田さんは、ヒロイン(谷田部みね子)の幼なじみの母で、奥茨城で農家を営んでいる役柄を演じた。自身は富山県出身のため「普段は富山弁」というが、完成度の高い茨城弁を話す柴田さんに、白石さんは舌を巻いたという。柴田さんは「茨城県北部で降る雪はさらさらで、風が吹くと飛ばされてなくなるが、富山県のベタッとして水分が多い雪とは異なることが印象深かった」と話した。最後に白石さんと柴田さんは、茨城県北部のフェアで販売されたアンコウやしらすを使った丼やパスタを試食してほおばり、「うまかっぺー」と相好を崩した。

秋本奈緒美さん
秋本奈緒美さん
 一方、松本市観光大使を務める秋本奈緒美さんは、イオンモール松本の開業式典の会場に現れた。テープカットには、松本市長、イオンモールとイオンリテールの両社長、客代表などが参列した。秋本さんは「新しい商業施設によって、歴史ある松本の街の新たな歴史がつながれる。市民や店の人の思いが新たな歴史を作っていく。松本は美しい街なので、商業施設の外もゆっくりと散歩をしながら、街の色々な場所を堪能していただきたい」と薦めた。

 イオンモール松本は、JR松本駅から徒歩10分の中心市街地にあり、国宝・松本城に近い。外観は黒と白の配色で、城下町の街並みに合わせた色彩である。駅から歩くと、黒と白による配色のなまこ壁の街並みがモールまで延々と続き、見事な連続性に圧倒される。モールは、公道を挟む関係で「晴庭」「風庭」「空庭」という、自然を感じさせる呼び名の3棟で構成され、晴庭と空庭は空中の連絡通路で接続されている。空庭1階は、長野県内にゆかりのあるテナントが集積し、眉毛とひげが特徴の松本だるまのオブジェを中心に、松本の有名ラーメン店「とんこつ家ZUN」の支店や、豚さんグループのからあげ店「からあげセンター」、安曇野の菓子店などによるミニフードコート「だるま茶屋」になっている。風庭は、3階が美ヶ原高原に向けて東側一面をガラス張りにしたフードコート「Food Forest」で、2階には家電専門店「ノジマ」や書店の「未来屋書店」、アミューズメントの「楽市楽座」が出店する。1階レストラン街「ひかりのレストラン」は、レンガ造りのアーチを基調とした内装で、レトロモダンな雰囲気を楽しめる。
 城下町を演出した空庭1階・だるま茶屋からは、近代レンガづくりの「ひかりのレストラン」(風庭1階)、昭和初期を象徴する近代建築物「片倉工業旧事務所棟」(外壁)を再現したレストラン「BISTRO HIKARIYA」(晴庭1階)へと、江戸から近代へ歴史を辿るようにモールが並ぶ。歴史を感じさせる一方で、松本市は北アルプスが近く、空気がさわやかで登山客も多い。仕事を離れて、また休日に訪れたい街である。
 私はイオンモール松本を、2017年新設の商業施設10選(商業施設新聞の選出)に推している。さて、紅葉はますます深まり、日本のいたるところで見ごろの時期を迎える。次はどんな商業施設で美女のお出迎えがあるのか楽しみである。
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