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AMG協議会総局長の齋藤雅彦氏が講演、「次世代を見据えた取り組み」(1)


経営の質と医療の質両立へ病床6116床・老健2908床展開、リハビリ収入155億円

2017/3/28

齋藤雅彦氏
齋藤雅彦氏
 2月15~17日に開催された「メディカルジャパン2017大阪」(インテックス大阪、主催:リード エグジビション ジャパン(株))の病院経営・管理セミナーにおいて、15日に上尾中央医科グループ(AMG)協議会の総局長 齋藤雅彦氏による「~将来を見据えた病院経営の要諦~民間グループ病院における次世代を見据えた取り組み」と題した講演が行われた。

◆AMGグループの概要と歩み
 AMG協議会(埼玉県上尾市柏座1-10-3-58、Tel.048-773-1113)は、病院を埼玉県に14病院3449床、千葉県に4病院1132床、神奈川県に5病院1063床、東京都に2病院237床、茨城県に1病院85床、山梨県に1病院150床の計6116床、老健施設を神奈川県に7施設1043床、埼玉県に6施設948床、千葉県に6施設701床、東京都に1施設120床、茨城県に1施設96床の計2908床擁し、大規模なネットワークで医療事業を展開している。

 グループの歩みとしては、1973年4月に初のグループ病院として「八潮中央病院」(80床)を開設した。以降、グループ化を推進していき、10年後には「上尾中央病院」(190床)、「八潮中央病院」、事業継承による「吉川中央病院」(102床)の3病院372床体制となった。20年後の1993年には、新規9病院と事業継承2病院を開設し、前述の3病院を含めて14病院にグループ規模が拡大している。その後、「三郷病院」「屏風ヶ浦病院」などグループの中核となる病院などが加わり、経営基盤が整っていったという。

◆経営の質と医療の質の両立による各取り組み
 AMGでは、より質の高い医療を効率的に提供していくための「医療の質向上委員会(AMQI)」を設置している。提言・教育・研修を行うことで、AMGの発展に寄与するほか、医療機能評価受審の推進および支援活動を行っている。具体的な活動内容は、(1)病院機能評価受審支援業務、(2)AMG医療の質スタンダード作成、(3)医療の質監査・改善勧告、(4)医療の質評価、(5)個人情報の保護、(6)ベンチマーキング資料の作成、(7)広報・情報発信、(8)教育・研修の8項目で、グループで病院機能評価認定した病院も増えている。

 さらには、2016年7月から支援部会の元に薬剤部会、リハビリテーション部会を設置し、さらなる医療の質の向上に積極的に取り組んでいる。
 特にリハビリテーション部では、リハビリテーション学校「上尾中央医療専門学校」(埼玉県上尾市大字平塚678-1)を06年4月に開校し、グループを基盤とした教育システムを設置。理学療法学科は定員40人(修業年数3年)、作業療法科定員40人(同)としている。

 16年度現在グループで働いている人員数は、理学療法士が1279人、作業療法士613人、言語聴覚士269人で、全国で働いているこれら専門職員数のうち約12%をAMGの職員で占めている。齋藤氏は「全国総数の約12%をAMGで採用しているのはすごいことだ」と述べた。

 一方、リハビリテーション部の収入は、病院や老健施設の設置とともに毎年増えており、14年に137億8200万円、15年度に149億200万円、16年度は154億9600万円を見込む。教育体制が整うことでスムーズな採用ができ、円滑なリハビリテーションを提供できているという。

 さらに、リハビリニーズの増加とともに、上述のようにスタッフの増加を図った結果、グループ内で40人を超えるスタッフを抱える病院が増えていったため、業務支援ツールとしてリハビリテーションマネジメントシステムを開発した。05年から統括する業務管理システムの導入を検討したという。各病院のデータ収集・分析を行い、病院ごとにデータ化、リハビリテーション部門において類似する病院や手本病院などとの比較を行い、業務の管理や運営の効率化に反映している。

 次回は、AMGにおけるリハビリテーション専門病院への改善事例などを紹介する。

(今村香里記者)
(この稿続く)

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