5月25日、新潟県南魚沼市長の井口一郎氏がJPI(日本計画研究所)で行った講演「官民連携による持続可能な小規模都市実現を目指す南魚沼版CCRC構想」を紹介する連載2回目は、南魚沼版CCRCの姿とその取り組みについて報告する。
◇ ◇ ◇
◆浦佐駅周辺で段階的な整備を計画
南魚沼版CCRCの整備エリアは、JR浦佐駅周辺を計画し、目標は200戸で400人のアクティブシニアの移住を目指していく。同駅2kmエリアには駅をはじめ大和SIC、国際大学、北里大学保健衛生専門学院、国際情報高校、大和中学校、浦佐小学校、魚沼基幹病院、市立病院、浦佐診療所・通所リハビリセンター、市役所大和庁舎、消防大和分署、コミュニティーホールさわらび、普光寺、浦佐温泉、ワイナリー・ブドウ園などがある。場所の選定については、首都圏住民4123人に「移住先で重視する環境」についてアンケートを行った結果、街中や郊外など買い物にほどよく便利な場所や都市部から離れ、自然が豊かな田舎で暮らすという割合が高かったことなどから、浦佐駅エリアを候補地とした。
整備は段階的に行っていく想定で、1期50戸、2期50戸、3期100戸の計200戸とし、場所は八色の森公園周辺を予定している。井口氏は「移住者を受け入れる住宅だけでなく、フィットネスや英語サロンなども整備する。継続的に整備を進め、拠点として確立していきたい」と述べた。住宅地のイメージとしては、コミュニティサロンや集会所、放課後児童クラブなどの福祉・交流拠点は、これまで徒歩圏内において中心的な施設となっている商店街や小学校とともに集約して一体的に機能確保する。保育所や子育て支援施設と介護施設などを一体的に配置することで、世代間の交流を生み出す。地域包括支援センターや行政サービス施設などについては、商店街や小・中学校とともに集約して一体的に機能確保する。公的不動産の再編とともに、各施設の複合化や合築、空き店舗・空き家などの既存施設の有効利用により土地などの確保にかかる初期コストを抑え、民間事業者の立地を支援するなどとした。
(続きは本紙で)