商業施設新聞
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第522回

(株)西武不動産プロパティマネジメント 軽井沢・プリンスショッピングプラザ 総支配人 清水 努氏


過去最高売上高の更新目指す
自然生かした差別化策を推進

2026/5/19

(株)西武不動産プロパティマネジメント 軽井沢・プリンスショッピングプラザ 総支配人 清水 努氏
 (株)西武不動産プロパティマネジメントが運営する「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」が個性的な取り組みを進めている。アウトレットを中心とした約240店を揃えるだけでなく、熱気球体験、水上アクティビティなど軽井沢ならではの自然を生かしたイベントなどを実施し、差別化を図っている。2025年度はインバウンドの売り上げに苦戦する施設も多い中、国内客をしっかり取り込んでいるという。同施設の総支配人である清水努氏に施設の現況などを聞いた。

―― 施設の概要からお伺いします。
 清水 新幹線が乗り入れる軽井沢駅前に位置し、敷地面積約26万m²、店舗面積約4.2万m²、約240店の体制で運営している。25年のリニューアルではアウトレットとして日本最大級の「ニューバランス」を移転増床したほか、巨大なサイネージを設けた「ベイクルーズ」の複合ショップなどをオープンした。こうしたリニューアル店舗がおおむね堅調だ。軽井沢らしさを今まで以上に打ち出したいと思っており、24年には子供の遊び場を大幅リニューアルし、自然の中で遊んでもらうことをポリシーにボーネルンド様にプロデュースしていただいた。

―― 中心となる商圏は。
 清水 一番多いのは首都圏からで、全体の60~70%を占める。これに加えて地元の長野や近隣の群馬からもお越しいただいている。一方で、冬は路面が凍結することもあり、首都圏から車で来る方が減り、長野、群馬などの方に支えられている。ただ、軽井沢駅は新幹線の乗降客が伸び続けており、最近は冬に首都圏から訪れる方が増えている。新幹線を利用すれば東京から約1時間で着くので、アクセスの良さが活きている。

―― 24年度は過去最高の売り上げを更新しましたね。
 清水 施設の売上高は22年度から3年連続で最高記録を更新しており、24年度は590億円だった。24年度は円安の影響でインバウンド売り上げが非常に伸びたこともあり、25年度は反動を受けているが、月間売り上げベースでは複数の月で過去最高を更新できた。これは国内客が伸びたため。軽井沢という場所は国内の方から知名度が高いこともあって、当施設は国内のお客さまからの支持率が高い。25年度の売上高は600億円を目指しており、過去最高を更新したい。

―― 特に堅調な業種などはありますか。
 清水 自然に囲まれ、目の前にはスキー場もあるので、スポーツ・アウトドアは相性が良く、通年で堅調だ。また業種に限らず、軽井沢は富裕層の方が多いので高価な商品がよく売れる傾向がある。

―― アウトレットは全国に約30あります。差別化は。
豊かな自然を感じられる「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」
 清水 なんといっても豊かな自然を感じられること。国内にアウトレットモールはいくつもあるが、当施設の特徴は自然が豊かであることで、歩くだけでも非日常感を味わうことができる。ここはもともとゴルフ場だったこともあり、池や芝生が広がり、山々の景色を望める。こうした環境はコロナ後に力を入れてきたイベントに欠かせない。恒例となった「モーターギャザリング」は、芝生の広場に高級車をずらりと展示するもの。高級車は軽井沢の富裕層の方にマッチし、青々とした芝生も映える。珍しいものとしては芝生広場で熱気球を上げている。気候条件が整っている必要があるものの、実際に乗り込むことができる。また、芝生広場で座ったり、寝転んだりしながら聴ける音楽イベントを行ったり、今季は、池での水上アクティビティとして、足こぎカヤック体験をテスト的に実施した。

―― 他のアウトレットと比べても個性的な取り組みですね。
 清水 アウトレットモールは施設が異なっても、店のラインアップが似てしまう部分がどうしてもある。そうした中、また来たいと思っていただける環境を作っていくことが大事。我々が環境や飲食店などを通じて地域の魅力を発信し、軽井沢のリピーターになってもらうことも必要だ。

―― MD、店舗構成で意識していることは。
 清水 他施設にはないテナントを誘致したり、他施設にあるブランドでも商品構成が違うなど、当施設ならではのお店をつくっていただくようにお願いしている。例えば前述のニューバランスは大型なだけでなく、プロパーの商品も多く展開し、当施設ならではのMDになっている。もともと当施設はプリンスホテルの買い物エリアが発祥であり、施設としては『アウトレット』を謳っていない。店の品揃えについては一定の割合までプロパー商品を置いていいという独自ルールを設けている。

―― さらに成長するため取り組みたいことは。
 清水 ここにしかないテナントや商品などを導入するなど、新しいことにどんどん取り組み、施設を変え続けていきたい。詳細はこれからだが、「コーチ」を今春リニューアルオープンする予定で、新しい取り組みを行う予定。また、北陸新幹線が延伸し、福井などからのアクセスが一気によくなった。施設としても北陸で広告を打っており、今後は北陸方面の集客も強化していきたい。
 もう一つは街と一体になって集客すること。軽井沢は旧軽井沢銀座通りが知られるほか、実は美術館が複数あるなど、もっと発信していきたい魅力がたくさんある。アウトレット間、商業施設間の競争として施設単体で戦うのではなく、軽井沢あるいは信州に行きたいと思っていただき、結果として当施設にも足を運んでもらうようにするのが重要だ。


(聞き手・編集長 高橋直也)
商業施設新聞2638号(2026年3月18日)(2面)

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