電子デバイス産業新聞(旧半導体産業新聞)
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第652回

韓国株式市場を牽引する半導体銘柄


サムスン・SKに加え、装置メーカーも受注大きく拡大

2026/5/8

 韓国株式市場は足元で、半導体市場の好況ぶりが大きく反映されている。4月28日15時30分に終了したKOSPI(韓国総合株価指数)は6641と前日比1.01ポイント上昇した。米国によるイラン攻撃の後、5200に後退していたKOSPIは、2カ月経過した今、過去最高値を更新している。

 好調の主因は、絶好調を謳歌する韓国半導体メーカーの半導体関連銘柄にある。KOSPIを牽引しているサムスン電子とSKハイニックスの2026年1~3月期半導体部門の営業利益は、それぞれ53.7兆ウォン(約5兆7742億円)と37.6兆ウォンで営業利益率は実に65.7%と72%という驚異的な数値を叩き出している。こうした勢いはそのまま株式市場に流れ、半導体関連メーカーの設備投資につながり、韓国半導体産業の好循環のシステムを作り上げているのだ。
 26年に入り、AI市場における半導体需要が爆発的に増えつつあり、関連装置メーカーの受注も大幅に増加している。韓国の半導体装置メーカーは、装置を受注してから納品する際に売上高に反映されることから、26年4~6月期からの業績はさらなる増収増益が予想される。
 シンスンENG(京畿道果川市)は、25年末から26年初頭に受注した半導体装置を集計した結果、前年同期比で60%程度増えたとこのほど明らかにした。同社は半導体クリーンルームに必要な産業用の空気清浄機(FFU、ファンフィルターユニット)やクリーンルーム内に清浄空気を注入する外調機(OAC)などのクリーンルーム装置に強みを発揮している。FFUとOACの受注が大きく増えつつあり、韓国の龍仁(京畿道)、曽坪(忠清北道)に運営している同社工場はフル稼働に追われている。
 また、ジュスンエンジニアリング、ケイシテック、パークシステムズなどの半導体装置の受注も増加傾向にある。ジュスンエンジニアリング(京畿道廣州市)は、原子レベルで成膜が可能なALD(Atomic Layer Deposition)分野で好評を得ている。ケイシテック(京畿道安城市)は、半導体のウエハー上を平坦に加工する化学機械研磨(CMP)装置をサムスンやSKなどに供給する。パークシステムズ(京畿道果川市)は原子顕微鏡分野で業界トップを堅持している。原子顕微鏡は半導体の不良を測定するための計測装置に活用される。
 このように韓国系半導体装置メーカーの受注が増えている背景には、近年、AI半導体(AI処理用アクセラレーターなど)やAIメモリー(HBM)などの半導体需要が爆発的に増加し、サムスンやSKなどの大手半導体メーカーの新増設に伴って装置導入に積極的に踏み切っているためだ。

半導体の設備投資は韓国勢が最も積極的

26年の半導体設備投資は韓国勢が最も積極的(写真はSKハイニックスのHBM4)
26年の半導体設備投資は韓国勢が最も積極的(写真はSKハイニックスのHBM4)
 実際、国際半導体装置材料協会(SEMI)の資料によると、グローバル半導体装置市場規模は26年に前年比9%増の1450億ドル(約21.6兆円)、27年は1560億ドルへと増加する見通しだ。これはまた、大手半導体メーカーの設備投資からも読み取れる。世界半導体市場統計(WSTS)によれば、26年に世界半導体市場規模は前年比 26.3%増の9750億ドル(約145.3兆円)と過去最大を更新する見通しだ。
 特筆すべきは、半導体の設備投資は韓国勢が最も積極的であるということだ。ソウル証券街筋の分析資料によれば、26年の半導体設備投資についてTSMCは540億ドルでトップとなり、サムスンは400億ドル、SKは274億ドルでそれに次ぐ。サムスンとSKの合計はTSMCを大きく上回る。このような投資増加の流れはこれから少なくとも3年間は持続するとみられている。したがって、半導体装置メーカーも製造工場の増設とともにR&D拠点の増築など、近未来の受注増に対応する戦略をとっている。

 ハンミ半導体は27年上期(1~6月)の量産を目指し、1000億ウォン(約107億円)を投じて「ハイブリッドボンダー」工場を仁川広域市西区に建設中だ。同工場の延べ面積は1万4570m²規模である。ジュスンエンジニアリングは27年下期の完成を目指し、京畿道龍仁市に「ジュスン龍仁第2研究所」の建設を進めている。延べ2万495m²規模の龍仁第2研究所は、既存のジュスン龍仁R&Dセンターの近隣に位置している。

 黄哲柱(ファン・チョルジュ)・ジュスンエンジニアリング代表取締役会長は「半導体市場が空前のスーパーサイクルに突入したのは、AIフィーバーという前例のない新市場が開かれたためだ」と述べ、「グローバルの半導体市場はいよいよ成長のスタート地点に立っており、半導体装置メーカーは顧客企業の投資拡大に積極的に対応する必要がある」と韓国半導体装置メーカーの積極的な取り組みを語った。


電子デバイス産業新聞 ソウル支局長 嚴 在漢

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