商業施設新聞
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第464回

(株)レアル・ダイニング 代表取締役 西出雅章氏


東京、大阪にイタリアン展開
KITTEなど商業施設内も

2025/1/14

(株)レアル・ダイニング 代表取締役 西出雅章氏
 (株)レアル・ダイニング(大阪市中央区)は、東京や大阪でイタリアンを運営し、飲食店コンサルティング事業も手がける。ミドルレンジ(7000~1万円)の価格帯で様々なメニューを提供し、今夏には「KITTE大阪」内に新業態のイタリアンレストラン「IN DISH」をオープンした。同社の店舗展開や将来像について、代表取締役の西出雅章氏に聞いた。

―― 貴社の沿革を。
 西出 2017年9月に大阪・天神橋筋六丁目駅近くに、店舗面積が10坪のイタリアンレストラン「Nishideria Buffa」をオープンしたのが始まりだ。1年後に会社を設立し、大阪の北新地や北浜で鉄板焼き店や生ハム専門店を開店したが、コロナ禍に入り、大きな打撃を受けた。それでもデベロッパーとご縁があり、コロナ禍の厳しい最中に「阪急グランドビル」や「ハービスエントPLAZA」への出店を果たした。24年は4月に東京初出店の「Braceria Buffa」、7月にIN DISHを開店しており、いずれも商業施設内に出店している。

―― 店舗フォーマットは。
 西出 1店1店作り込んでいるため、明確な基準は設けていないが、店舗面積は30~35坪が目安で、提供するメニューはミドルレンジの価格帯を中心とする。当社は、店舗を運営する人員がすべて社員であることが強みだ。そうすることで店舗運営のトレーニングが不要となり、利用するお客様にも1つ上の満足を提供できる。
 社名の“レアル”からも分かるように、サッカーチームのような組織で店舗運営を担っている。トップダウンはほとんどなく、全員が社員なので、運営の自由度はかなり高い。北新地の鉄板焼き店「Teppan&Wine堀」は、下の社員の結束力が強く、上の社員の自由度も高いため、売り上げはすごく良い状況だ。チームとして回すのであれば、前述の30~35坪の広さで料理人5人、サービス5人の10人程度で運営するのが理想となる。

―― 利用客について。
 西出 現在は8店を運営しているが、客層はどの店舗も異なる。中心は40代以上とシニア層で、スタンダードなテイストのイタリアンは40代のゆっくり時間を過ごされるお客様に好評だ。7月に開店したIN DISHはシニア層に対し、しっかりとした料理を提供している。総じて、スタンダードなイタリアンを好むマダム会、シニアカップル、シニアの集団といった方々に当社の店舗をよく利用していただいている。

―― 7月に開店したIN DISHについて。
自家製生パスタが気軽に楽しめる「IN DISH」
自家製生パスタが気軽に楽しめる「IN DISH」
 西出 KITTE大阪の5階に、新業態のイタリアンレストランとしてオープンした。本場イタリアの手打ちパスタをより多くのお客様に味わっていただけるよう、ランチは5種類のパスタを1000円台で提供し、2000円からの炭焼きステーキランチもラインアップする。ディナーはアラカルトのほか、能登牛の炭焼きやリゾットなどイタリアンとパスタのコースが楽しめる。
 白と木目を基調とした店内は、大阪の街の景色を眺めながら食事ができるテーブル席、ライブ感溢れるオープンキッチンのカウンター席、食事会や接待にも使える個室を用意し、様々なシーンに合わせて利用できる。上層階に劇場やホテルがあるため、時間もお金にも余裕がある50代以上の男女や、大阪を訪れる観光客をターゲットに設定する。IN DISHはおかげさまで利用客の反応は良く、手応えを感じている。

―― 商業施設内への出店に対する考え方を。
 西出 ロケーションがすごく大事だ。現状は路面店で良い立地が見つけづらく、ビルインや商業施設内のほうが戦いやすい。ただ、大阪・梅田エリアはすでに6店を運営しており、頭打ちになる可能性もあるため、同エリアでは違う業種の店舗を出店することも検討している。大阪では、なんば駅や天王寺駅といったミナミエリアには店舗を構えていないが、同エリアの路面店は客単価が下がる可能性があるため、商業施設内に出店することを視野に入れている。

―― 地産地消も推進しています。
 西出 3月に大阪市農業協同組合(JA大阪市)と継続的売買基本契約を締結し、イタリア野菜を中心とした購入取引の契約を交わした。第1期は7月に播種・育苗を始め、11月に納品を済ませており、すでに大阪市産の食材を使ったメニューを提供している。本店の「Nishideria」は「テロワール・イタリアン」をコンセプトに掲げているため、こうした地産地消を実践していきたい。今後は地産地消とともに、社員の働きやすい環境を整え、全国各地に当社が手がけるミドルレンジの価格帯の店舗を広げる考えだ。


(聞き手・副編集長 岡田光)
 経営者の目線 外食インタビュー

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