商業施設新聞
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第415回

フランス総合医療(株) 取締役本部長 F プレミアムプラザ統括責任者 杉木勇士氏


催事含む柔軟な出店で店舗増
共同開発の健康・医療機器販売

2024/1/23

フランス総合医療(株) 取締役本部長 F プレミアムプラザ統括責任者 杉木勇士氏
 フランス総合医療(株)(東京都港区)は、全国の商業施設を中心に、メーカーと共同開発した健康機器や家庭用医療機器、マッサージ器などのオリジナル商品を販売する「F プレミアムプラザ」を店舗展開している。常設店のほか催事の出店もあり、常に80~100店規模が稼働する状況で、売り上げや店舗数も順調に伸びている。同社取締役本部長で、F プレミアムプラザ統括責任者の杉木勇士氏に聞いた。

―― 会社の概要から。
 杉木 1989年の設立で、以前はスーパー銭湯などの温浴施設で「スリーミーウェーブ3338」(身体固定式全身治療・温熱治療器)や健康機器、家庭用医療機器、マッサージ器をお客様に体験してもらい、販売するビジネスを行っていた。その後、販路拡大を目指す中で商業施設内の催事・テナント出店を始め、今に至る。

―― 商業施設でビジネスを始めたきっかけは。
 杉木 温浴施設以外の販売場所を探している中、2015年ごろにイオンモールの共用部で体験会・販売会を催事で出店しないかとお話をいただいたのが商業施設でビジネスを始めたきっかけだ。この催事の反応や売り上げが良く、催事と並行する形で常設店の展開も始め、16年に「イオンモール徳島」でF プレミアムプラザの常設1号店を開業した。
 イオンモール徳島で、ある程度長い期間しっかり売り上げが作れたため店舗展開を本格化。1号店以降、数多くの出店要請をいただけるようになり、今の多店舗体制へとつながった。

―― 現在の店舗数は。
 杉木 常設店と期間限定の催事店を合わせて、常時80~100店規模が稼働している。常設か期間限定かはデベロッパーの要請に柔軟に対応でき、便利屋みたいなものだが、それで良いと思う。それでデベロッパーから信用が得られるし、これまでもそうやって信用を得てきた。出店先は、広域型のショッピングセンターから地域密着型の商業施設まで様々。展開エリアや出店する商業施設の規模も問わない。

―― 足元の状況は。
 杉木 売り上げの詳細は非公表だが数十億円規模であり、順調に成長を続けている。特に、22~23年前半ごろまではコロナ禍の反動もあり、最高益を記録した時期もあった。突然販売件数が大きく伸びるわけではないが、商品をブラッシュアップし続けており、1件あたりの販売単価が上がっていることが、成長を後押ししている。

―― 客層は。
 杉木 メーンは50代で、次に40代と60代、次に30代と70代が同じくらい。店舗ごとに商品構成を変えたり、例えば若い人向けに美容系商品を増やしたりする。以前は「治療」の要素が強い商品が多かったが、今は「美容」「予防」「姿勢維持」などの商品も意識的に増やした。セット販売となると高額な場合は60万円、70万円といったこともあり、決して安くないが、お支払いの分割など販売方法を工夫し、買いやすいようにしている。

―― 常設店の出店ペースは。
イオン宇品ショッピングセンター
イオン宇品ショッピングセンター
 杉木 明確な出店数の目標を決めているわけではなく、出店の要請があれば適宜柔軟に対応している。例えば22、23年で見ると20店程度増えたが、23年9、10月ごろから出店ペースを落としている。店舗数が順調に増えたと同時に、見直しもしなくてはならない時期になり、今後のさらなる拡大に備えている状況だ。ここ2年の出店拡大の中で新しい発見などもあったため、そういったものを取り入れつつ、今後の準備をしている段階である。
 チャンスがあれば積極的に出店するが、ある程度、店舗運営のノウハウも蓄積できてきたので、やみくもに出店するのではなく、販売員の教育も含め、出店と販売員のクオリティを維持しながらビジネスを進めたい。

―― 商品について。
 杉木 フランスベッド製のスリーミーウェーブ3338が売れ筋商品だが、商品の多くがオリジナル商品で、メーカーと共同開発し、特定管理医療機器の認可を取得して販売を行っており、良いものを適正な値段で販売することを心がけている。当社が開発に関わったオリジナル商品が多いのは、販売員が自信を持って販売できるようにという考えからだ。

―― 出店を広げたいエリアは。
 杉木 全国を出店の対象エリアとするが、より当社の商品を知ってもらうため、今後は地方の地域密着型商業施設にも出店を進めたい。地方にも広げることで、会社として店舗展開を次のフェーズに移行していく。

―― 今後の目標は。
 杉木 お客様に実際に商品を体験してもらい、良さを分かったうえでご購入いただくため、商品を体験できる場として200店、300店と店舗を増やしていきたい。今、物流費なども含め様々なものがコストアップしているが、バランスを取りながら事業の拡大を図っていく。

(聞き手・副編集長 若山智令)
商業施設新聞2528号(2024年1月9日)(5面)
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