商業施設新聞
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No.479

ビナフロント開業で海老名駅前にさらなる賑わい


玄行 力

2014/10/28

 小田急線沿線に在住していることもあって、かねて小田急電鉄が小田急小田原線の海老名駅東口で建設を進めていた駅ビル「ビナフロント」に注目していた。海老名駅周辺は2002年に大型商業施設「ビナウォーク」のオープン以降、地域住民のみならず広域も想定した駅前での商業開発が加速しており、今回のビナフロントのオープンもその一環だ。

 オープン前日の10月16日に内覧会が行われたので早速参加してみた。大まかに言うと、1~4階は物販、飲食、サービス店舗などからなるコンビニエンスなテナントを集積した商業施設で、5~11階は賃貸住宅「リージア海老名ビナフロント」の複合施設となっている。

 2階はファッションや雑貨などで構成されており、首都圏初出店のシューズ店「Paddington Terrace」、県内初出店のスマートフォンアクセサリー店「UniCASE」、県央地区初出店のインテリア雑貨店「Salut!」などのテナントが、広さはさほどでもない売り場に集積されていた。その多くが20~30代の女性向けで構成されており、自分が個人的に利用する機会はないかもしれないが、女性だったら時たま利用していたかもしれない。

 また、住民票などの交付、市の刊行物や事業の紹介、海老名市のイメージキャラクターである「えび~にゃ」のグッズなどの物販販売を行う海老名市役所の海老名駅連絡所「えび~にゃハウス」も設置されていた。海老名市役所自体は駅周辺に立地しているのだが、徒歩で行くと若干時間がかかるため、今回のビナフロントへの出店は、駅直結の立地ゆえに市民に喜ばれるのではないかと思う。

「LATTE GRAPHIC」は買い物帰りの女性で盛況を博しそうだ
「LATTE GRAPHIC」は買い物帰りの女性で
盛況を博しそうだ
 3階は商業施設初出店となるオセアニアスタイルのカフェ「LATTE GRAPHIC」が出店。バリスタが淹れる最高品質のコーヒーが同店の売りだが、オーストラリアの朝食でよく目にするビッグブレッキー、ベネディクト、ふわふわのパンケーキなど食事メニューも豊富で、これも20~30代の女性を中心に繁盛しそうだと思った。このカフェがビナフロント唯一の飲食テナントとなるが、個人的にはお洒落な居酒屋など、もう2店ほど飲食店があれば集客につながるのではないかと感じた。

ユニクロは駅直結のビナフロントに移転した
ユニクロは駅直結のビナフロントに移転した
 3~4階には10月15日に閉店した「ユニクロ ビナウォーク海老名店」が移転オープンした。同店によると、閉店したビナウォーク海老名店の2倍ほどの売り場面積とし大型店となったため、取り扱い点数が全体的に増加しているほか、特にキッズ・ベビーも拡充したという。確かに閉店したユニクロ ビナウォーク海老名店よりもメンズ、レディスともに取り扱い点数が豊富で、機会があればインナーなどを買いに行こうと考えている。

 5~11階の賃貸住宅も見学した。新たに海老名市に移住するファミリー向けの住宅が多いと思っていたが、1Kや1DKがメーンで、どちらかと言えば独身や子供のいない世帯向けだった。駅直結という最高のロケーションゆえ、案の定家賃はお手頃とは言えなかったが、内覧会開催時点で3分の1以上は賃貸契約が決まっていたことを知り驚いた。

 なお、小田急電鉄の施設として海老名駅東口には、ビナウォークや小田急マルシェ海老名がある。これらにビナフロントが加わったことで、駅から徒歩圏内に生活に必要な衣食住の環境が整うこととなる。

 また、同社は同駅西口の同社所有地である駅間地区においても開発を推進している。しかし、駅間地区は三井不動産の「ららぽーと海老名」などの建設が計画されている西口区画整理事業の手前に位置しており、かつては何もなかった西口が、数年後は県内屈指の商業激戦区になっていると思われる。

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